おやじのぼやき

日々おやじが思う事。。。。。

UBI

みんなにお金を配ったら アニー・ローリー みすず書房 2019

図書館本 良書

原題
Give people money: How a Universal Basic Income would end poverty. Revolutionize work, and remake the World. 2018

ユニバーサル・ベイシック・インカム(UBI)を包括的に綴っていて世界の流れが分かり易い。
理想論、現実、問題点そして未来へという感じです。
非常に多くの参考文献等も付記されている。
UBIに興味がない方には読み難いかもしれません。
AIや自動化が進み、労働、貨幣、時間という考え方がパラダイムシフトして貧困や格差が無くなることがUBIの大きな役割だと感じる。

ルトガーブレグマンの「隷属なき道」(本書ではドイツのジャーナリストとされているが、オランダ人歴史家、ジャーナリストとするべきでしょう)を読んでいる方には、これからの社会の在り方を考える上で本書は多くの現金給付の例やその背景にある文化や歴史的な問題などにも現場を訪問してその光景を綴っていて興味深い。

備忘録的メモ
UBIは21世紀の労働組合的な働き
労働市場への影響は軽微 怠け者や放蕩者を生み出すわけではない
現物支給より現金の方が受給者に価値が高い
アメリカでの個人主義、自助努力礼讃主義による冷酷な線引き(救済か非救済か)
無給労働者(女性の家事、育児)への貢献 家庭支出の決定権の欠如



未完の資本主義 大野和基 インタビュー・編 PHP新書 2019

図書館本 良書

著名な経済学者や有識者に対するインタビュー
ポール・クルーグマン UBIは対象者を絞るべき
トーマス・フリードマン UBIには懐疑的
デビッド・グレーバー  UBI導入すべき
トーマス・セドラチェック 
タイラー・コーエン
ルトガー・ブレグマン UBI導入 一日3時間労働
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー 必要最低限なUBIの導入

著作を読んだ事があるのはルトガー・ブレグマンだけという無教養な私である。
ただ読了して思ったのは、UBI(ユニバーサルベーシックインカム)に対する考えが、賛成、反対、修正賛成等に分かれる事だろうか。経済学がまだ学問として成熟していない事を意味するのだろうか。

メモ
ポール・クルーグマン
 消費増税は反対 富はすでにある、分配に問題
デビッド・グレーバー
 Bullshit Jobs(どうでも良い仕事 )の蔓延 邦訳未刊行
 意味のない仕事の増加 無駄な管理職(でも高給)
 5分類 Flunkies(太鼓持ち)、Goons(用心棒)、Duct Tapers(落穂拾い)、Box Tickers(社内官僚)、Task Makers(仕事製造人)
 労働観の変更(時間を売って貨幣を得るような?)
トーマス・セドラチェック
 従来の経済学の問題点 資本主義は時代によって変化する
 市場はフェアに出来てはいない
 成長至上主義という病
 各国の年金制度は年2%の成長を前提 
タイラー・コーエン
 教育の厳格化は?
 日本における少子化対策は最優先
 ポスト資本主義などは存在しない
ルトガー・ブレグマン
 UBIに上乗せして稼ぎたいと思う
 富を移動させるだけのくだらない仕事が多過ぎる
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
 UBIは一つの仕事への執着を少なくする


 
未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来 (PHP新書)
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
PHP研究所
2019-09-14



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