図書館本

学者の戦争犯罪に関しては731部隊に焦点が当たられてきて、多くの当事者がデータを
GHQに渡したことで免責された事実が明らかになっている。

本書は、731部隊の兄弟部隊とも言える獣医分野での研究・実践部隊である100部隊に
焦点を当てている。

科学者の社会的責任という文脈で、多くの学者が戦争に加担して来た事は世界の歴史でも
明かである(毒ガス、兵器、原爆、生物兵器等々)。

本書は加藤氏(1947生まれ、東大法卒、一橋大名誉教授 政治学)と小川氏(1943生まれ、北大獣医卒、日獣大名誉教授)による共著である。

メインは軍馬の疾病研究と100部隊(940人前後の人員)の関連性を一次情報(戦後のGHQ供述書類や関連書類)に基づいて小川氏が担当して記載している。


さて、読書感想文であるが
思い込みとコロナ対策でのワクチン村(ムラではない表記)とかの批判はまったく当たっていない(笑) だって僕も獣医師の教育を受けたし、東大医科研(元伝研)と感染研(元予研)にも在籍しましたし。ムラは何処にも存在しているけど、感染症やらウイルスやらワクチンなんて弱小のムラであることは業界の人々はあたりまえの事実でしょ。予算は減り続け、人員削減して来てコロナパンデミックで右往左往、やっと予算が増え、人員が増えて来た程度。加藤氏は日本の感染医療体制の貧弱と指摘しており予算の少なさや人材不足も理解してはいるようであるが。
叩く所を間違っていますね。

また世界的なウイルス学者の河岡先生(北大獣医卒、東大医科研教授(現特任教授)は褒めるが、尾身さんや岡部さんは御用学者と切り捨てる。(p34)
またどこに根拠があるのかわからないが、旧731部隊の人的系譜を引き継ぐ、あまり最新医学では力のない「専門家」に感染医療が任されたと指摘する。
さらに感染研がコロナのデータを独占したとも(笑) 
ちなみに科学者の社会的責任として、医学者、獣医学者、薬学者等が戦争に加担・協力した事は歴史として猛省しなければいけないのは言うまでもない。

このレビューもamazonから一度はアップされ、その後削除されるのかな?(笑)


図書館にあったら読んでみるのは良いかもしれな、購入までする必要性は感じない。