図書館本 読書人生でベスト10に入るかもしれない書
未だに戦死者(餓死、戦闘死、感染症等の疾病死)の遺骨が遺族の元に帰って来ていない。
本当に細々と国の事業として遺骨収集(帰還)事業が行われている。
個人的体験ではあるが、自分は1980年代白血病ウイルスの研究での海外調査でPNGのラバウルを
訪れた事がある。当時はまだ日本軍の兵器残骸や塹壕が残っており、一部は観光スポットになっていた。(その後火山噴火で大きく変わったらしい)。そして、お線香の匂いが漂っていたのである。それは、戦没者の慰霊団が慰霊碑等に奉げた日本のお線香の香りだったのである。なぜ、こんな遠くまで、戦いに来たのだろう?そして水木しげるさんの作品をあとになって知った。
硫黄島での2万人にも及び死者、その内、1万人の遺骨がいまだ見つかっていないと言う。
海外戦没者は約240万人、いまだに現地に残されている戦没者は約113万人と言う。
母国のために戦った米軍はKEEP THE PROMISE (誰一人取り残さない、約束を守る)と
日本の差は一体何なんだろうと感じる。
また、日本の領土にも関わらず、元島民は島に戻れていない。
浄水施設、発電施設もあり、携帯電話も通じる東京都なのに。
そして、自衛隊隊員は日本と変わらない生活をし、米軍も軍事訓練を行っている。
日米合同委員会による地位協定が存在するのだ。
戦争は終わっていないのだ。
最後に天皇陛下・誕生日に際しての記者会見(2023年2月22日)での関連質問2で最後に著者が質問の機会が得られた事で本書はクライマックスを迎える。
問2 沖縄の昨年の行幸啓に関連し、陛下にお尋ね申し上げます。私は今月、政府派遣の硫黄島戦没者遺骨収集団に約2週間加わり、戦没者2万人のうち1万人がいまだに残されたままの島の現状を見てきました。上皇様は1994年、硫黄島を訪問され「精根を込め戦ひし人未(いま)だ地下に眠りて島は悲しき」との御製を詠まれました。来年は最後の硫黄島行幸啓から30年の節目となります。沖縄と並んで激しい地上戦が行われた硫黄島の歴史や、いまだに1万人もの戦没者が残されている現状に対する陛下のお気持ちをお聞かせください。
天皇陛下
今お話のあった、上皇上皇后両陛下が硫黄島に行かれたことについて、私も上皇上皇后両陛下から硫黄島に行かれた時の話をいろいろと伺っております。大変悲惨な戦闘が行われ、また多くの方が亡くなられたことを、私も本当に残念に思っておりますし、このような硫黄島も含めて、日本各地で様々な形で多くの人々が亡くなられている。こういった戦争中の歴史についても、私自身、今後ともやはりいろいろと理解を深めていきたいというように思っております。
著者は今は、北海道に戻り、記者活動を続けている。
戦争を風化、美化しないために、今後も発信を続けて欲しい。
素晴らしい書をありがとうございました。
未だに戦死者(餓死、戦闘死、感染症等の疾病死)の遺骨が遺族の元に帰って来ていない。
本当に細々と国の事業として遺骨収集(帰還)事業が行われている。
個人的体験ではあるが、自分は1980年代白血病ウイルスの研究での海外調査でPNGのラバウルを
訪れた事がある。当時はまだ日本軍の兵器残骸や塹壕が残っており、一部は観光スポットになっていた。(その後火山噴火で大きく変わったらしい)。そして、お線香の匂いが漂っていたのである。それは、戦没者の慰霊団が慰霊碑等に奉げた日本のお線香の香りだったのである。なぜ、こんな遠くまで、戦いに来たのだろう?そして水木しげるさんの作品をあとになって知った。
硫黄島での2万人にも及び死者、その内、1万人の遺骨がいまだ見つかっていないと言う。
海外戦没者は約240万人、いまだに現地に残されている戦没者は約113万人と言う。
母国のために戦った米軍はKEEP THE PROMISE (誰一人取り残さない、約束を守る)と
日本の差は一体何なんだろうと感じる。
また、日本の領土にも関わらず、元島民は島に戻れていない。
浄水施設、発電施設もあり、携帯電話も通じる東京都なのに。
そして、自衛隊隊員は日本と変わらない生活をし、米軍も軍事訓練を行っている。
日米合同委員会による地位協定が存在するのだ。
戦争は終わっていないのだ。
最後に天皇陛下・誕生日に際しての記者会見(2023年2月22日)での関連質問2で最後に著者が質問の機会が得られた事で本書はクライマックスを迎える。
問2 沖縄の昨年の行幸啓に関連し、陛下にお尋ね申し上げます。私は今月、政府派遣の硫黄島戦没者遺骨収集団に約2週間加わり、戦没者2万人のうち1万人がいまだに残されたままの島の現状を見てきました。上皇様は1994年、硫黄島を訪問され「精根を込め戦ひし人未(いま)だ地下に眠りて島は悲しき」との御製を詠まれました。来年は最後の硫黄島行幸啓から30年の節目となります。沖縄と並んで激しい地上戦が行われた硫黄島の歴史や、いまだに1万人もの戦没者が残されている現状に対する陛下のお気持ちをお聞かせください。
天皇陛下
今お話のあった、上皇上皇后両陛下が硫黄島に行かれたことについて、私も上皇上皇后両陛下から硫黄島に行かれた時の話をいろいろと伺っております。大変悲惨な戦闘が行われ、また多くの方が亡くなられたことを、私も本当に残念に思っておりますし、このような硫黄島も含めて、日本各地で様々な形で多くの人々が亡くなられている。こういった戦争中の歴史についても、私自身、今後ともやはりいろいろと理解を深めていきたいというように思っております。
著者は今は、北海道に戻り、記者活動を続けている。
戦争を風化、美化しないために、今後も発信を続けて欲しい。
素晴らしい書をありがとうございました。