図書館本 良書

佐高さん(1945-)と望月さん(1975-)の対談。
権力の監視役としてのジャーナリズムがなぜ、ここまで弱体化したのか。
個人的には戦中に大本営発表に逆戻りした感じがします。
もちろん、優秀な調査報道をされる記者やフリーランスの方もいますが、、

本書では特に権力に忖度・癒着する官僚に対するメディアの対応が語られています。
モリカケサクラ、どれを取っても犯罪ではないかと思われるものが、曖昧なまま終わる。
やっと最近(2021に河合元法相の事件が動き出した感じ)膿が少しづつ出てきている感じですが
ズルした人間がそのままコロナ禍を生き抜く感じでありますね。

佐高さんが、ルポライターの竹中労を凄く評価しているのが印象的。
「人間は弱いから群れるのではない、群れるから弱いのだ」竹中労 寺山修司が最初とも言われるが。
また、一定の評価をナベツネさんにもしているのが興味深い。(仲人を石橋湛山から宇都宮徳馬に
変更した話は面白い)

望月さんの官邸での質問に対して、記者クラブの官邸キャップが「負け犬の遠吠えだ」とわざわざ
言いに来たと吐露している。そして彼女は言う
「政治取材に長けたみなさんは、この首相会見でいったい、何をうまく引き出したのだろうか。
しっぽをふっているのに餌をもらえなかった犬に見えるが、あとで「路地裏」で残飯でももらえば
「勝ち犬」なのだろう。」