副題:新・官僚の責任

図書館本 良書

300ページを超える書である、新書では書き切れないのでしょう。

これまでも多くの元官僚やら現役官僚が霞が関官僚の話題を綴っていました。
官僚とマスコミ・メディア、官僚と政治家、官僚と民間やアカデミアとの関係性。
本来学業優秀と思われている(確かに偏差値は高いしテストに強い)官僚にもいくつかのタイプがあって本来は消防士タイプ(ノブレスオブリージュタイプかな)が望まれると古賀さんは書いている。確かに同感であるし、そんな官僚も少なからず存在するだろう。
しかしながら、昨今の官僚の生態を見ていると、明からに劣化していると国民を想っているだろうと指摘する。
本来優秀なはずな官僚が政治家に操られ、省益に繋がる様にマスコミを丸め込み(記者クラブ)世論を誘導する。
国益を棄損しながら、この国は何処に向かうのか?
政権が交代すればリセット出来るのか?
トンネルを抜ける感じがしない今日この頃である。

備忘録メモ
霞が関用語(霞が関レトリック) お化粧:コロナ対策予算にかこつけて流用
優秀:正解が決まっている筆記試験に強い
官僚性弱説 性善説でも性悪説でもなく 
赤木敏夫さん(森友問題で自殺)は消防士タイプの官僚
官製ファンドと天下り 
現役出向という天下りの裏技開発
朝食勉強会で官僚に論理にハマる政治家(族議員の誕生)
記者クラブという省益スピーカー

以下集英社より
第1章 コロナと官僚
●初動ミスの原因は「日の丸信仰」?/●「アベノマスク」大失敗の理由
●“官僚任せ”が招いた「10万円一律給付」のグダグダ など
第2章 官僚とは何か
●官僚“性弱説”●天下り“闇”ルートは今も健在●急増する「凡人型」官僚 など
第3章 官僚と政治家
●官僚たちの「逆忖度」/●内閣人事局はフル稼働させるべき●財務省が政治家に強いわけ など
第4章 官僚主導、官邸主導、独裁
●安倍前総理が求めた「自分のための官僚機構」●菅政権で官僚組織の再生はできるのか など
第5章 森友と加計 忖度への報酬とその犠牲者
●なぜ今、「森友」と「加計」なのか?●赤木俊夫さんが「殺された」と考えるわけ 
●「官僚の会話」佐川理財局長と総理秘書官 など
第6章 官僚とマスコミ 官僚に使われる記者クラブのサラリーマンたち
●アメとムチを使い分けてマスコミを操作する官僚
●「政府の言うことも信用してあげないと」と言った若手記者 など
第7章 官僚と公文書
●官僚の公文書公開に関する「6つの原則」●「率直な意見交換」という名の「とんでもない悪巧み」
●情報公開が国民の生命を守る など
第8章 経産省解体論 ポストコロナに向けた緊急提言
●経産省の産業部門と農水省の合体で「産業省」を創設せよ●「DX省」創設を急げ
●グリーンリカバリーのための資源エネルギー庁解体 など