福岡さんの本なのに知らなかった。。。。
藤田さんがお亡くなりになった後に知りました。合掌


2012年から2013年に毎日新聞西部本社版に連載された内容を加筆修正とのこと。

藤田 祐幸(ふじた ゆうこう、1942年 - 2016年7月18日)さんを取材して書かれています。
無知な私は藤田さんの存在を本書を読むまで知りませんでした。
故高木仁三郎さんや小出先生と同様に原子力(核)の危険性に気が付き、反原発に人生を捧げていた藤田さん。
三浦半島の小網代の森を守った藤田さん。(ポラーノ村運動 1983−)岸由二さんらも


原発の非効率性(変換効率35%程度)と危険性を地道に説き続けた。
そして、3.11ではいち早くメルトダウンを指摘した。
劣化ウラン弾は原発からのゴミの有効利用として戦地でつかわれ健康被害(白血病等)を指摘してこられた藤田さん。

「戦後の世界の秩序は核兵器の力によって形成されました。だから、WHOだけでなくすべての国連の専門機関は、その秩序を維持するために作られたIAEAに従属する関係にあります。核に関係する健康被害が徹底的に調査されないのはそのためでしょう。人の命も健康も核の力に従属する。残念ですが、それが私たちが生きるこの世界の現実なんです」by 藤田 祐幸


備忘録メモ
科学者たちは、機械の無責任さというものを隠れ蓑に利用する。
スリーマイルの事故を検証(小規模の水素爆発あり)しておけば福島は防げた
笹本征男氏「米軍占領下の原爆調査〜原爆加害国になった日本」日本の科学者による戦後の核利用 権力との同調
日本の原発政策は米国の極東戦略に組み込まれ 沖縄の基地問題とも不可分
日本に核武装を思いとどまらせるための在日米軍基地存続 核の傘提供
54年原子炉築造予算国会提出 中曽根氏 53年キッシンジャー主催のハーバードセミナーに招聘
日経メディカルへの記事に見せかけた広告(電事連提供)で放射線被害を矮小化 東大吉澤康雄氏
もんじゅの事故隠し その後の対応で国民の怒りのガス抜きの方策を得た。そのため、3.11以降も同じ構図 核燃料サイクル政策の現状復帰はもんじゅの事故後わずか2年で完了
吉岡斉氏らの提言も無視された形
2012年6月 原子力基本法に「安全保障に資する」という言葉が突如現れた
宇宙航空研究開発機構(JAXA)法から「平和目的に限る」という規定が削除
想定されていた福島事故 JCO事故、もんじゅ、美浜配管破裂事故 柏崎地震事故
「戦後の世界の秩序は核兵器の力によって形成されました。だから、WHOだけでなくすべての国連の専門機関は、その秩序を維持するために作られたIAEAに従属する関係にあります。核に関係する健康被害が徹底的に調査されないのはそのためでしょう。人の命も健康も核の力に従属する。残念ですが、それが私たちが生きるこの世界の現実なんです」


内容(目次より)

第1章 市民側に立つ科学者へ
第2章 問い続けた「核と原発」
第3章 チェルノブイリの悲惨の後で
第4章 原発労働の闇を照らす
第5章 破局の足音を聞きながら
第6章 劣化ウラン弾を追って
第7章 宮沢賢治を生きる