おやじのぼやき

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原発ムラ

信濃毎日の矜持 原発汚染水

〈社説〉原発処理水の放出 責任の重み分かっているか|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト


アンダーコントロールと宣った首領様がいましたね。

以下社説


東京電力福島第1原発で処理水の海洋放出が始まった。

 漁業者の反対を押し切っての開始である。政府と東電が地元漁協と交わした「関係者の理解なしには処分しない」との約束は、ほごにされた形となった。

 岸田文雄政権は漁業者から「一定の理解を得た」とし、風評被害対策や漁業の継続に「責任を持つ」と強調している。

 額面通りに受け取ることはできない。放出は今後30年は続く。どう責任を持つのか。政府、東電の方こそ、その重さを理解しているのだろうか。

  ■信頼の積み上げなく

 そう疑問に思わざるを得ないのは、原発について政府と東電がこれまで、不信を招く対応を繰り返してきたからだ。信頼の積み上げが決定的に欠けている。

 2011年の事故でメルトダウンした原子炉に地下水や雨水が流れ込み、汚染水が発生してたまり続ける。これは当初から重大な問題と指摘されてきた。

 事故から12年、政府と東電は解決にどう取り組んだか。保管するタンクがいずれ満杯となるのは確実なのに、限界が近づくまで実質的に先送りが続いた。

 浄化処理して海に流せばよい。トリチウムという放射性物質は除去できないが、各地の原発でも流している―。最初からそんな甘い考えがあったのではないか。

 過酷事故を起こした福島第1原発を、他の原発と同じように考えることはできない。

 溶け落ちた核燃料の残骸などはデブリと呼ばれ、強烈な放射線を出し続けている。全貌は今も明らかでなく、耳かき一杯分ほどの採取の試みさえ難航している。

 そんな物質に触れた水だ。きちんと浄化できるのか。海に流す以外の方法は本当にないのか。疑問がわくのは当然だろう。

 政府は委員会を設けて処分方法を探ったものの、議論は海洋放出ありきの感が漂った。

  ■第三者による監視を

 地元住民や漁業者向けに説明会は開いてきた。だが一方的に「理解」を求める内容にとどまり、意見が出ても、それで対応が変わる余地はほぼなかった。

 浄化したはずの水に、トリチウム以外の放射性物質も残っていると判明したこともあった。放出前に浄化し直すと釈明したが、情報を分かりやすく伝え、説明する感覚に欠けていた。

 有識者の間には今も、海洋放出以外の方法を検討するよう求める声がある。例えば、10キロ離れた福島第2原発の敷地なども使った長期保管だ。トリチウムの半減期は12年。保管しながら放射能の減衰を待つという手もある。

 海に流し続ける以上、不安を取り除いていくには、トリチウムなどが海中にどう広がっているかを詳細に追跡し、逐一発信していかねばならない。

 政府や東電は、周辺海域の100カ所以上でトリチウム濃度を測定する。国際原子力機関(IAEA)も現地で監視を続ける。

 内外の注目が集まる現段階は監視が効いている。問題は放出が日常化していった後だ。緊張感を維持しなくてはならない。

 東電は、11年の事故の後もミスや不祥事が止まらない。柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けては、テロ対策の不備などで原発の運転主体としての適格性自体が疑われている。その東電が今後、確実に信頼を積み上げていける保証はない。

 処理水の検体を公開し、IAEA以外からも専門家が広く検証に関われる仕組みをつくるなど、監視の目が行き届く態勢をもっと充実させられないのか。

  ■その場しのぎでは

 放出前、岸田首相は、現地視察や漁業団体との面会を慌ただしくこなした。儀式を足早に済ますような対応からにじんだのは、避けがたい当面の難局をどううまく切り抜けるか、という姿勢だ。

 「責任を持つ」の言葉が、世代を超えて漁を続けたいと願う漁業者に響かないのも無理もない。

 思い出すのは2013年、東京五輪開催を目指す中で、当時の安倍晋三首相がIOC(国際オリンピック委員会)総会で述べた「状況はコントロールされている」との言葉だ。制御下にあるとはとても言えない状況だった。

 その場しのぎの対応が、後の政権に代々受け継がれている。処理水の放出に至ったことを重く受け止め、事故が人々にもたらした現実と未来に改めて向き合う。そうあるべき場面ではないか。

 忘れてならないのは、処理水の放出が、廃炉に向けて直面する放射性廃棄物処分の、ほんの一歩でしかないということだ。

 汚染水の絡みでは浄化の際に生じる汚泥もたまり続けている。敷地には事故で発生したがれきも残る。そして何より、デブリを本当に取り出せるのか、出せたとしてもどう保管するのか。決まっていないことがあまりに多い。

 原発推進を唱えられる状況なのか、政府は考え直すべきだ。






東電 経営陣無罪の闇 特集「福島第一原発の事故をめぐる裁判で、東京電力・旧経営陣に無罪判決。今回の裁判で何が見えてきたのか」

【音声配信】特集「福島第一原発の事故をめぐる裁判で、東京電力・旧経営陣に無罪判決。今回の裁判で何が見えてきたのか」崎山敏也×桶田敦×荻上チキ2019年9月19日(木)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」22時〜)


非常に分かりやすく説明しています。
podcastでお聞きください。

原子力ムラ
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学会
企業
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全てが関与して、誰も責任を取らない素晴らしい国 ニッポン。

社会通念、国策、司法 

こちらも是非 https://bit.ly/2kXyW9b
「無罪」証拠と矛盾多い忖度判決(刑事裁判傍聴記: 添田孝史)





動かすな、原発 小出 裕章,海渡 雄一,島田 広, 中嶌 哲演,河合 弘之岩波ブックレット2014年10月

図書館本

大飯原発地裁判決への道のり

福島原発震災をゼロリスク(安全神話)としていた電力会社を含む原子力ムラの崩壊に繋がって欲しいものだ。
いかに杜撰な論理で構築された安全神話であったが裁判を通じて良く分かります。
科学的データすら無視して専門家以外は分からないと言い立場を取ってきた原子力ムラ、実は多くのウソと捏造に近いデータを無理やり押しとおして来た。

大飯原発3、4号機運転差止請求事件判決要旨

主文

1  被告は、別紙原告目録1記載の各原告(大飯原発から250キロメートル圏内に居住する166名)に対する関係で、福井県大飯郡おおい町大島1字吉見1-1において、大飯発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない。

2  別紙原告目録2記載の各原告(大飯原発から250キロメートル圏外に居住する23名)の請求をいずれも棄却する。

3  訴訟費用は、第2項の各原告について生じたものを同原告らの負担とし、その余を被告の負担とする。

中略

10 結論

 以上の次第であり、原告らのうち、大飯原発から250キロメートル圏内に居住する者(別紙原告目録1記載の各原告)は、本件原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があると認められるから、これらの原告らの請求を認容すべきである。

福井地方裁判所民事第2部

 裁判長裁判官 樋口英明

    裁判官 石田明彦

    裁判官 三宅由子

以上要旨より


目次 岩波のHPより

司法への絶望と希望――裁判所は3・11に向き合えるか
小出裕章

「原発銀座」の名を返上する日へ
中嶌哲演

「王様は裸だ」――事実と常識に基づく判決が出されるまで
島田 広

司法は生きていた――動かしようのない事実と論理に裏づけられた判決
海渡雄一

福井地裁判決はどのような影響をもたらすか
河合弘之

大飯原発三,四号機運転差止請求事件・判決要旨
こちらで見る事が出来ます。


東京ブラックアウト 若杉洌 講談社 2014年12月

図書館本(速攻で予約したら早く読む事が出来た)

原発ホワイトアウトの続編
仮名と実名が上手く絡みあった小説。(古賀さんはここでも実名)
ざっくり言えば、いかに電力(原発)利権が政治家、官僚、電力業界に浸み渡っているかということだろう。
安全神話と必要神話の洗脳
札びらとポジション斡旋(天下り等) 国益と私益の2重構造 責任は問われない、仕事は楽、給料は良い

国益とは何か考えるのには良いテキストだと思う。
放射能汚染された郷土は果たして「美しいニッポン」なのか?
国民の7つの疑問(田坂広志氏)に何一つ明快な答えを出さない政府、行政、アカデミアそして電力会社。
 原発の安全性
 使用済み燃料の長期保管
 放射性廃棄物の最終処分
 核燃料サイクルの実現性
 環境中放射能の長期的影響
 社会心理的な影響(精神的な健康被害)
 原発発電コスト

そんな中で起こる第二のメルトダウン(柏崎刈羽原子力発電所を想定、泉田知事は逮捕されている)で首都圏は住居不能になる。
選挙での脱原発派の動きもマネーでへし折られ、天皇陛下への請願権でしか国民の意思や希望、祈りは通じないという流れ。

備忘録メモ
内閣法制局の無謬性(作った法律は全て正しい)
官僚制とゴキブリの共通性(放射能汚染でも生き残る抵抗性、縦割り行政)
現行の憲法下においても政治が機能不全を起こした時に、例外的に天皇陛下による部分的な御親政が行われることが想定されている。
陛下が国事行為を拒否されれば、国事行為は完成しない。
いわゆる「象徴天皇」は、単にシンボルではなく、日本的伝統や文化、そして民族の共生さらに統合と融合の象徴としての「霊性」を持った存在として捉えるべきであろう(平野貞夫氏)
家が朽ちてもシロアリは生き残る。日本が放射能汚染にまみれても、電力マネーに群がる政治家屋官僚は生き残る。。。。二度の原発事故を起こしても原発推進は止まらない。それが「電力モンスター・システム」の復元力である。
今生陛下への請願の送付先 〒100-8968 千代田区永田町1-6-1 内閣官房内閣総務官室 との事。


ちなみに、これが請願法
請願法
(昭和二十二年三月十三日法律第十三号)

第一条  請願については、別に法律の定める場合を除いては、この法律の定めるところによる。

第二条  請願は、請願者の氏名(法人の場合はその名称)及び住所(住所のない場合は居所)を記載し、文書でこれをしなければならない。

第三条  請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない。
○2 請願の事項を所管する官公署が明らかでないときは、請願書は、これを内閣に提出することができる。

第四条  請願書が誤つて前条に規定する官公署以外の官公署に提出されたときは、その官公署は、請願者に正当な官公署を指示し、又は正当な官公署にその請願書を送付しなければならない。

第五条  この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。

第六条  何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

   附 則

 この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。
東京ブラックアウト
若杉 冽
講談社
2014-12-05

官邸から見た原発事故の真実 田坂広志 光文社新書 2012

著者は原発の専門家(1951-) 2011年3月29日から9月2日まで内閣官房参与として事故対応。
20年前まで、原子力村において原子力推進に携わってきたと書く。

ざっくり書けば、幸運だけで首都圏全域避難が無かったのだろう。
そして、原発の専門家という存在がいかに無能であり、それを認可するサイドの行政の無能さ。
安全神話を官民学で作り上げ、特定分野だけの利権を維持し、科学で解決不能な廃棄物等の問題は
将来に先送りというシナリオ。

田坂さんは、安全、安心の前にあるべき「信頼」を主張される。
もっともなことだ。
では3.11後に信頼を得るべくムラ人達は努力したのだろうか?

備忘録メモ
根拠の無い楽観的空気
安全を語る事の事故睡眠
楽観的空気が生み出す最悪の問題
宿命的問題としての高レベル放射性廃棄物問題(トイレなきマンションと同じといいますが、
マンションはは居住は可能ですが、原発は居住すら出来ませんよね)
10万年後を誰が担保する? オンカロはフィンランド語で隠し場所
未来予測の限界、世代間の倫理
国民の7つの疑問
 原発の安全性
 使用済み燃料の長期保管
 放射性廃棄物の最終処分
 核燃料サイクルの実現性
 環境中放射能の長期的影響
 社会心理的な影響(精神的な健康被害)
 原発発電コスト
想定、確率論、経済性、経済優先主義
人的、組織的、制度的、文化的要因による事故
確率論的安全評価手法の限界 (海外の事故も)
テロ対策の不備
再処理工場、地層処理、高速増殖炉(もんじゅ)まったく未定
情報公開の不透明性
地層処理は不可能(じゃモンゴル? 国際的批判)
リスクマネジメント
 最も厳しい仮定に立つ
 最悪を考えて万全の対策を取る
 空振りの損失コストは覚悟する
土壌汚染の前にある生態系汚染
モニタリングの思想
 早期発見モニタリング
 安全確認モニタリング

4つの挑戦
 原子力エネルギーの安全性への挑戦
 自然エネルギーの基幹性への挑戦
 化石エネルギーの環境性への挑戦
 省エネルギーの可能性への挑戦
10年後の国民投票

日本記者クラブでの講演 2011年



福島原子力帝国―原子力マフィアは二度嗤う 恩田勝亘 七つ森書館 2013

図書館本

著者の熱い想いは良くわかるし、3.11以前から原発問題を取材していることも分かる。
ただ、一次情報として当事者への取材に偏りがあるように思う。
もちろん週刊誌等への寄稿を元にしているのであろうが、単行本として未来に残るのであるから
しっかりと事実の羅列で押してほしかったと思う。

原子力マフィア(ムラ)の存在は田原総一朗の原子力戦争の時代から指摘されているし
御用学者、巨大広告代理店の暗躍も。

せっかく福島での聞き取りや時系列での政治、行政の流れに触れているのであるから
行政の長や福島医大幹部等にも取材すべきであろう。

最後の方にフリーメーソンの話が出てくるが本書では必要ないと感じた。


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