図書館本 良書 400ページにおよぶ
サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 2018 を読んでら
知人がこの本を紹介してくれました。
本田氏(1959-)が新聞記者として地に足をつけて取材した情報をもとに構成。
北海道総合研究調査会の機関誌「しゃりばり」に2003-2004に掲載したとある。
根室という地域の見方がが変わる一冊です。
北方領土問題が基本にあり、政治、経済、外交という糸が絡みあって翻弄される地域なのである。
前半部分では密漁の過去現在をソ連側の取り締まりや癒着を綴っています。
そして後半部分では北方領土返還問題での外務省、政治家、民間団体等の絡みを時系列で
綴っています。2島返還なのか4島返還なのか、非常に厳しい外交交渉と日本国内でのイザコザ
(鈴木宗男氏、佐藤優氏、外務省の東郷局長らとアンチの勢力)。
東郷氏は2007年に北方領土交渉秘録―失われた五度の機会 という書を出されている。
また北方領土「特命交渉」 鈴木 宗男 佐藤 優 講談社 2006
あと数年すれば外交文書が公開になるのであろう。
その時に、分かる事も多くあるのかもしれない。
本当に北方領土は帰ってくるのだろうか?
読書メモとして 北方領土交渉秘録―失われた五度の機会
ゴルバチョフ、エリティン、プーチンの各大統領時代における対露関係の中での平和条約締結と北方領土返還交渉のまさに当事者として、また鈴木宗男氏、佐藤優氏の所謂国策調査逮捕事件のある意味共犯者とも名指しされた東郷氏の回顧録とでも言える書である。
当然ながら公務員としての守秘義務と外交機密と言う文脈の中で語れない部分も多いのであろうが、歴史的な動きは非常に生き生きと書かれているのだと感じる。
東郷氏の生い立ちはまさにサラブレッドと称されるほどの名家であり、外交官僚家系と言っても差し支えないである。それゆえか、文章自体は非常に大人しく、佐藤氏の様な過激さはないし、また特定個人への非難もない。逆にそのために、外交舞台での人間関係のドロドロさも、パワーポリティクスとしての生臭さが表れていないようにも思う。(佐藤氏自身は解説の中で、鳥瞰図的な記述だと言っています)
いずれにしても小泉政権誕生後の進展無き北方領土問題やそれに付随するであろう対露外交の低迷の理由は何か?それは単にロシアスクールと言われる外務官僚とか外務省主流派と言われるアメリカスクール官僚との確執なのか。あるいはそれ以上に大きな何かなのか?東郷氏がソ連課長就任以降に北方領土問題で仕えた歴代の首相は中曽根、宮澤、橋本、小渕、森であるが、領土問題が動こうとしていた時代は橋本、小渕、森のようである。その内の橋本、小渕両氏は急逝されていて当時の首脳会談での秘密交渉などの内容は外交文書の公開を待つしかなく、回顧録等しての心象風景を知るすべもなくなっている。
四島一括返還と四島返還との大きな違いは無い事(若干の時差を生じる返還となるが)が多くの国民に理解されるように東郷氏は願っているのであると感じる。
東郷氏も、解説の項を書いている佐藤氏も東郷氏のオランダ大使辞職後の外国への渡航は「亡命」だと書いているが、もし日本に居たならば佐藤氏や鈴木氏同様に逮捕されたのだろうか? 歴史が今後明らかにしていくのであろう。
また北方領土「特命交渉」 鈴木 宗男 佐藤 優 講談社 2006 などもある
読書メモ
鈴木さんと佐藤さんの対談形式で、北方領土返還交渉を政治、外交のコンテクストの中で語っている(暴露している)。そこには、まさにドロドロした人間関 係、北方領土ビジネスと言う利権、中央アジア問題が北方領土返還に鍵となる可能性等が綴られている。もちろん、ご両人の言い分を全て信じる事を良しとはし ないが、通常一般国民が知りえない外交の流れの記載は間違いがないように思う。また、ここまで特定の外務官僚や袴田教授を非難するにはそれなりの覚悟が あっての事だと思う。守秘義務がある中で、語りつくせない部分はあるのだろうが、国策捜査という「時代のけじめ」のワナに掛かってしまったご両人の今後の 活躍を祈りたい。
サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 2018 を読んでら
知人がこの本を紹介してくれました。
本田氏(1959-)が新聞記者として地に足をつけて取材した情報をもとに構成。
北海道総合研究調査会の機関誌「しゃりばり」に2003-2004に掲載したとある。
根室という地域の見方がが変わる一冊です。
北方領土問題が基本にあり、政治、経済、外交という糸が絡みあって翻弄される地域なのである。
前半部分では密漁の過去現在をソ連側の取り締まりや癒着を綴っています。
そして後半部分では北方領土返還問題での外務省、政治家、民間団体等の絡みを時系列で
綴っています。2島返還なのか4島返還なのか、非常に厳しい外交交渉と日本国内でのイザコザ
(鈴木宗男氏、佐藤優氏、外務省の東郷局長らとアンチの勢力)。
東郷氏は2007年に北方領土交渉秘録―失われた五度の機会 という書を出されている。
また北方領土「特命交渉」 鈴木 宗男 佐藤 優 講談社 2006
あと数年すれば外交文書が公開になるのであろう。
その時に、分かる事も多くあるのかもしれない。
本当に北方領土は帰ってくるのだろうか?
読書メモとして 北方領土交渉秘録―失われた五度の機会
ゴルバチョフ、エリティン、プーチンの各大統領時代における対露関係の中での平和条約締結と北方領土返還交渉のまさに当事者として、また鈴木宗男氏、佐藤優氏の所謂国策調査逮捕事件のある意味共犯者とも名指しされた東郷氏の回顧録とでも言える書である。
当然ながら公務員としての守秘義務と外交機密と言う文脈の中で語れない部分も多いのであろうが、歴史的な動きは非常に生き生きと書かれているのだと感じる。
東郷氏の生い立ちはまさにサラブレッドと称されるほどの名家であり、外交官僚家系と言っても差し支えないである。それゆえか、文章自体は非常に大人しく、佐藤氏の様な過激さはないし、また特定個人への非難もない。逆にそのために、外交舞台での人間関係のドロドロさも、パワーポリティクスとしての生臭さが表れていないようにも思う。(佐藤氏自身は解説の中で、鳥瞰図的な記述だと言っています)
いずれにしても小泉政権誕生後の進展無き北方領土問題やそれに付随するであろう対露外交の低迷の理由は何か?それは単にロシアスクールと言われる外務官僚とか外務省主流派と言われるアメリカスクール官僚との確執なのか。あるいはそれ以上に大きな何かなのか?東郷氏がソ連課長就任以降に北方領土問題で仕えた歴代の首相は中曽根、宮澤、橋本、小渕、森であるが、領土問題が動こうとしていた時代は橋本、小渕、森のようである。その内の橋本、小渕両氏は急逝されていて当時の首脳会談での秘密交渉などの内容は外交文書の公開を待つしかなく、回顧録等しての心象風景を知るすべもなくなっている。
四島一括返還と四島返還との大きな違いは無い事(若干の時差を生じる返還となるが)が多くの国民に理解されるように東郷氏は願っているのであると感じる。
東郷氏も、解説の項を書いている佐藤氏も東郷氏のオランダ大使辞職後の外国への渡航は「亡命」だと書いているが、もし日本に居たならば佐藤氏や鈴木氏同様に逮捕されたのだろうか? 歴史が今後明らかにしていくのであろう。
また北方領土「特命交渉」 鈴木 宗男 佐藤 優 講談社 2006 などもある
読書メモ
鈴木さんと佐藤さんの対談形式で、北方領土返還交渉を政治、外交のコンテクストの中で語っている(暴露している)。そこには、まさにドロドロした人間関 係、北方領土ビジネスと言う利権、中央アジア問題が北方領土返還に鍵となる可能性等が綴られている。もちろん、ご両人の言い分を全て信じる事を良しとはし ないが、通常一般国民が知りえない外交の流れの記載は間違いがないように思う。また、ここまで特定の外務官僚や袴田教授を非難するにはそれなりの覚悟が あっての事だと思う。守秘義務がある中で、語りつくせない部分はあるのだろうが、国策捜査という「時代のけじめ」のワナに掛かってしまったご両人の今後の 活躍を祈りたい。