おやじのぼやき

日々おやじが思う事。。。。。

オードリー・タン

自由への手紙 オードリー・タン (インタビュー) 講談社 2020

図書館本 良書

インタビューに答える形でオードリー・タンの思想哲学が語られる。
実に明解に、そして分かり易く。
格差から、ジェンダーから、デフォルトから、仕事から自由になるというテーマ。
理想論と言われるかもしれない、しかし理想や夢は追い求めなければ得られもしないだろう。
それは、権力者や国家あるいは一部の利権を握る人々の利己的行動があるのだから。
民主主義にはお金がかかると言われている。だからこそ、より公平に効率的に
国家あるいは地球のシステムをつくり変えなかければいけいないという事だろう。

備忘録的メモ
ドラえもんを生んだ日本(オードリーがファン)
ベイシックインカムの可能性追求
他言語文化としての台湾
オープンなロビー活動 密室の陳情の排除






主な内容 出版社HPより

Chapter0 日本の皆さんへ
「権威のAI」に自由を奪われてはならない
私がスマホを使わない理由
自分の自由のために傷つけあってはいけない
ドラえもんの「かわいさ」が日本の強み

Chapter1 格差から自由になる
格差を拡大するソーシャルメディア
マスクを「すべての人」に
ベーシックインカムの可能性
若い世代に必要なスキルセットとは?
ネット上の対立を回避するには?
ツイッターがリプライ機能を制限した理由

Chapter2 ジェンダーから自由になる
愛する対象はホモサピエンス
ピンクがヒーローの色になる
カミングアウトがしやすい社会
「結婚を祝福されたい」という願い
「家と家」から「個人と個人」の結びつきへ

Chapter3 デフォルトから自由になる
アナキズムと老子の教え
安全な居場所から思いやりは生まれる
強制せずに協働する方法
参加型社会のリーダー像とは?
絶望の切れ間に光がある
政治家よりも#(ハッシュタグ)が力を持つ

Chapter4 仕事から自由になる
AIが怖くない2つの理由
「ハンコ問題」は、ハンコの話ではない
「見えない人たち」を見る目をもつ
理想とお金をセットで考える
経済活動のゲームを超えた働き方
日本人は「改善」の人々




オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る プレジデント社 2020年12月

図書館本 超良書 今年の自分の読書ベスト10に入ると思う。

鳳=おおとり=オオドリーは知らなかった。日本の漢字より。
性別=無 本書で良く理解出来ます。
台湾の戒厳令解除 1987年
概念を押し付けない父親(ソクラテス式問答法)、母親はクリエイティブシンキング
権力に縛られない保守的なアナーキスト(無政府主義ではない)
柄谷行人の交換モデルXからの大きな影響(互酬、再分配、商品交換、X) デジタル上で交換モデルXが実現=公共の利益という核のもと資本主義に縛られない新しい民主主義

彼の初めての自伝との事です。
中学中退の経緯において、中途退学を許した中学校校長先生も覚悟の出来た素晴らしい先生だと思います。
そして、彼の目指す未来が実に素晴らしいかを、彼が考えるAIと民主主義、インターネットと民主主義の枠組みが政府と人民の間の信頼関係があってこそ実現するのだという強いメッセージとして伝わってきます。
今回のコロナ禍における台湾の感染症対策が世界から大きな評価を得た事はすでに承知の事実ですが
そこに至るまでには多くの障壁があった事は明らかです。それをどの様に解決してきたか。解決するためのアプローチはどうあるべきか? 私たちも世界も学ぶべき事が多々あると感じます。
そして5Gの整備を都会からでなく地方から進めるという政策がまさに台湾の政治のスタンスに思えます。

台湾における新型コロナウイルス対策「3つのF」
Fast 素早く Fair 公平に Fun 楽しく そして徹底的に疑問や質問に答える政府の姿勢
すなわち人々の声を良く聞くという姿勢
デジタル技術を活用して複数の部会にまたがる問題を解決する
インターネットにより少数者の意見を拾上げて政策に反映させるツールの存在 vTaiwan, Join
5000人の同意者が集まれば政策に反映可能なシステムPDIS
AI はアシスタントインテリジェンス(補助的知能)と捉える方が良い
イノベーションとはより弱い存在に人たちに優先して提供されるべき
デジタル スキルより素養
3つの素養 自発性 相互理解 共好(共に働く)
科学技術で解決できない事にたいして美意識を養う 文学的素養も

オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る
オードリー・タン
プレジデント社
2020-11-29





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