図書館本

FGM(女子割礼)の事を知人に聞いたら、これを勧めてくれたので読んでみました。
そんな訳で2章と6章を読み、その他の章は流し読みです。

日本の研究者(アカデミア)は比較的、上から目線でないアポローチが多いのは
認識として持っています。欧米的な所謂、開発業界やらの上から目線での、教えてやる、
エンパワーする的な構図は、徐々に衰退している様に感じます(欧米の援助疲れ?)

そんな中、FGMに関しても、欧米の絶対止めるべき的な流れに地域コミュニティーからの
反発や不同意が以前から知られていたので、本書でも、やがてはFGMが無くなるであろうが
その過程は様々なイベントとして地域ごとに進化、改善?されて行くのであろうことが
理解出来ました。

潜在力という括りで本書は成り立っている(研究費の課題の関係上)様ですが、中には
論文探査的な内容もあり、何かアフリカの潜在力を我々が学び、互いに昇華していくという
感じでは無いものもありました。

こんな感じの流れです。目次は。


目次

第1章 西ケニアの村人にとってコロナ禍とは何か
―共同・互助にみるアフリカ潜在力の可能性―
 はじめに―西ケニアからのSOS―
 1 絶対的生活困難を乗り越える技法―
 2 コロナ禍における絶対的生存困難
 3 絶対的生存困難を乗り越える技法
 おわりに―アフリカ潜在力の可能性―

第2章 花嫁と監督
―ガーナ南部の仕立屋が魅せる潜在力―
 はじめに
 1 フィールドの概要
 2 経済と美学
 3 象徴と感情
 4 花嫁としての仕立屋
 5 監督としての仕立屋
 おわりに―ひとつの完成の先に未来を見ること―

第3章 インフォーマル・セクターにみるアフリカ潜在力
―カメルーン起業家の20年から―
 はじめに
 1 インフォーマル・セクターの様態
 2 ある実業家の20年
 3 企業拡大とその困難
 おわりに―アフリカ潜在力の経済―

第4章 南アフリカにおけるコンゴ人ディアスポラ
 はじめに
   1 ヨーロッパにおけるコンゴ人ディアスポラ
 2 南アフリカにおけるコンゴ人ディアスポラ
 3 南アフリカ在住コンゴ人の階層性と政治運動
 おわりに

第5章 戦争の過去, 移民としての今
―在日イボ人とビアフラ独立運動―
 はじめに
 1 ビアフラ独立運動の歴史的背景
 2 日本におけるビアフラ独立運動の展開
 3 インターネットと運動の越境
 4 交差する過去と現在―在日イボ人にとってのビアフラ戦争―

第6章 ムカデ
―ふたりの姉妹の割礼儀礼をめぐる〈変化と維持〉の物語―
 はじめにーこれは前進か? 衰退か?―
 1 ビーナス・ドリス姉妹
 2 女性の割礼に関する近年の状況
 3 割礼儀礼の準備
 4 割礼の前日
 5 割礼の当日
 6 施術後の祝祭
 おわりに

第7章 われわれは債務を返せない
―トマ・サンカラの負債論―
 はじめに
 1 背 景
 2 演 説
 3 考 察―文化人類学的負債論から―
 おわりに

第8章 西アフリカ・サヘルにおける農牧紛争の基層
―空間的な分析と可視化―
 はじめに
 1 調査地について―農牧関係を中心に―
 2 資源アクセスの制約―衛星画像を用いた土地被覆・利用の推定から―
 3 資源制約に対する牧畜民の適応―日帰り放牧ルートのログ分析から―
 4 適応の限界と食害リスクの空間分布―日帰り放牧のシミュレーションから―
 おわりに

第9章 植民地ナイジェリアのハンセン病コントロール
 はじめに
 1 第1次世界大戦終結以前の時期―1918年以前―
 2 両大戦間期―1919〜1938年―
 3 第2次世界大戦勃発以後の時期―1939〜1960年―




アフリカ潜在力のカレイドスコープ (龍谷大学社会科学研究所叢書 136巻)
落合 雄彦、松田 素二、浜田 明範、平野(野元) 美佐、佐藤 千鶴子、松本 尚之、中村 香子、佐久間 寛、阪本 拓人
晃洋書房
2022-11-30



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