購入 絶対お勧め

沖縄を二度と犠牲のシステムの中に入れないために。

同名の映画が公開される前に購入していたが、なかなか読み進む事が出来ず、映画はもう公開されております。(2024年3月中旬より)
なぜ、読み進むのが遅かったのか?
あまりの自分自身の無知と無教養で、沖縄に関する歴史や文化を咀嚼出来なかったのだ。
琉球王朝の人頭税も知らなかったから、離島で生まれた歌や踊りの事も知らなかった。
もちろん、沖縄戦での日本軍の地域住民に対する非道さや、戦争マラリアなどは知ってはいたのだけれど。
二度と沖縄を戦地にしてはいけないという住民の願いは、米軍基地問題や今まさに進んでいる自衛隊のミサイル基地建設などで無視し続けられているという現実を本書でこれでもかという程に知らされた。
著者の三上さんの調査報道が、沖縄の人々の苦悩と憤り、そして怒りを綴っている。そして各章毎にQRコードから関連する動画映像にリンクしていて、さらに沖縄における不条理な現実を示している。
軍事基地や弾薬庫は戦時には間違いなく標的になり、住民も犠牲になるのは明らかである。
台湾有事という仮想戦争を準備するよりも、平和への準備をすることが2度と愚かな戦争をしないと決意した私たちの親や爺ちゃん婆ちゃんだったのではないか。

犠牲のシステムとは 高橋哲哉氏
「犠牲のシステムでは、或る者(たち)の利益が、他のもの(たち)の生活(生命、健康、日常、財産、尊厳、希望等々)を犠牲にして生み出され、維持される。犠牲にする者の利益は、犠牲にされるものの犠牲なしには生み出されないし、維持されない。この犠牲は、通常、隠されているか、共同体(国家、国民、社会、企業等々)にとっての「尊い犠牲」として美化され、正当化されている」