早くリニア中止が地域のためですよね。
リニア中央新幹線長野県駅(仮称)に近い飯田市上郷地区で18、19日に県飯田建設事務所とJR東海が開いた住民説明会では、県が施工する県駅周辺の道路整備の完成時期が一部未定になったと明らかにされ、JRによる県駅工事の工期延長の具体的影響が見えてきた。駅前広場整備をはじめとするまちづくりや暮らしに与える影響は大きく、住民からは改めていらだちと不安の声が上がった。
■長野県が整備の周辺道路、一部が完成時期未定
「大変申し上げにくいのですが、当初予定通りの事業の完成は困難と判断しました」。説明会の冒頭、県飯田建設事務所の担当者が切り出した。県の周辺道路整備のうち、国道153号の4車線化(2・6キロ)と県道市場桜町線の拡幅(1・4キロ)は県駅高架下を通る工事が必要。当初は2028年3月までに全線完成の予定だったが、県駅軌道部分の工期が31年12月末まで5年9カ月延長された影響を受け、リニア本線と交差する部分が完成時期未定と説明された。
■2028年に狭い区間残る状態で利用開始に
両道路は市が整備する駅前広場に接し、アクセス道路として重要な役割を担う。市は県駅工事の影響で整備に着手できない区域を除いて、広場の一部利用を28年度から始める方針。ただ28年3月の時点で国道153号には2車線のままの区間、県道には幅の狭い区間が残る状態で利用開始を強いられる。市リニア推進部の小倉博明部長は「広場への出入りがスムーズにできるように、県にしっかりした対応を求めている」と話す。
中央道座光寺スマートインターと県駅を結ぶ新設の座光寺上郷道路も、用地交渉の長期化などで28年3月には途中までの開通にとどまる。出席した上郷地域まちづくり委員会の北原重光会長(68)は取材に「28年までにどういう順序で工事を進めるのか、住民に分かりやすく示してほしい」と求めた。
■JR東海や長野県の姿勢ただす意見相次ぐ
説明会ではJRや県の姿勢をただす意見が相次いだ。駅ができる上郷飯沼北条地区の男性は「(JRは)積極的に工事を進めていく姿勢を見せてほしい。何年も前から移転している人がいる」と訴えた。移転を余儀なくされるのは計約190世帯。4年ほど前に移転した人もおり「(土地が)草だらけで放置されている所が多々ある」と指摘した。JRの杉浦禎信・中央新幹線建設部名古屋建設部担当部長は「おわびするしかないが、そういう方々のご協力があって今がある。引き続き全力でやっていく」と釈明した。
■リニア先行開業求める声には「考えていない」
27年予定だった東京・品川―名古屋間の開業は34年以降にずれ込むだけに、地元には飯田商工会議所の原勉会頭を筆頭に飯田―名古屋間での先行開業を求める声がある。説明会でも「部分開業はあり得るか」との質問が出たが、JRは「全線開通することで効果を最大限発揮する」とし「考えていない」とした。
■「工期を守って。2度目、3度目はない」
説明会には両日で延べ100人余が参加。北条まちづくり委員会の波多野実会長(72)は取材に「JRは一度言った工期をしっかり守ってほしい。2度目、3度目はない。そうでないとまちづくりが進んでいかない」と話した。
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【関連記事】
■リニアの風越山トンネル上郷工区、本坑掘削開始は2028年度冬ごろ JR東海が飯田市で説明 駅周辺の道路も2028年3月の完成困難
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■飯田市のリニア駅前広場、2028年度に一部利用開始 事業やサービスの検討組織を11月下旬設立
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■リニアの開業は遅れ…飯田市の人口減少の要因となっている若者流出の抑制策は?
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■飯田市の将来像描けない リニア長野県駅の工期延長、住民から懸念の声
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024072500191
■リニアのまちづくりは仕切り直しか 91億円投じる駅前広場整備計画見直しへ 27年開業断念で長野県駅の飯田市
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■立ち退いた住民、「27年」前提に動いた経済…リニアの開業後退、困惑の飯伊「いつまで負担と影響続く」「約束守るべき」
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023121500227
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■長野県が整備の周辺道路、一部が完成時期未定
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■2028年に狭い区間残る状態で利用開始に
両道路は市が整備する駅前広場に接し、アクセス道路として重要な役割を担う。市は県駅工事の影響で整備に着手できない区域を除いて、広場の一部利用を28年度から始める方針。ただ28年3月の時点で国道153号には2車線のままの区間、県道には幅の狭い区間が残る状態で利用開始を強いられる。市リニア推進部の小倉博明部長は「広場への出入りがスムーズにできるように、県にしっかりした対応を求めている」と話す。
中央道座光寺スマートインターと県駅を結ぶ新設の座光寺上郷道路も、用地交渉の長期化などで28年3月には途中までの開通にとどまる。出席した上郷地域まちづくり委員会の北原重光会長(68)は取材に「28年までにどういう順序で工事を進めるのか、住民に分かりやすく示してほしい」と求めた。
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■リニア先行開業求める声には「考えていない」
27年予定だった東京・品川―名古屋間の開業は34年以降にずれ込むだけに、地元には飯田商工会議所の原勉会頭を筆頭に飯田―名古屋間での先行開業を求める声がある。説明会でも「部分開業はあり得るか」との質問が出たが、JRは「全線開通することで効果を最大限発揮する」とし「考えていない」とした。
■「工期を守って。2度目、3度目はない」
説明会には両日で延べ100人余が参加。北条まちづくり委員会の波多野実会長(72)は取材に「JRは一度言った工期をしっかり守ってほしい。2度目、3度目はない。そうでないとまちづくりが進んでいかない」と話した。
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