JR東海が謝罪「トンネル掘削中の空気管理ミス」 品川の道路隆起、原因はリニア工事 再発防止策示したが…:東京新聞デジタル
いくらでも繰り返す事故とトラブル
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東京都品川区で10月、リニア中央新幹線トンネル工事現場のほぼ真上にある区道交差点が隆起した問題で、JR東海は22日、リニア工事が原因とする現場調査結果を発表した。
北品川工区周辺で発生した地面隆起に関する説明会で頭を下げる、JR東海の中央新幹線推進本部・中央新幹線建設部土木工事部の秋本直人担当部長(左)と山本雄介担当課長=東京都港区で(久野千恵子撮影)
シールドマシン(大型掘削機)内部の空気が漏れ出て地表まで達し、道路が盛り上がったとみられる。同社は再発防止策を講じ、来年2月に住民説明会を実施した上で、工事を再開するとしている。
◆2026年2月に住民説明、その後工事再開へ
同社によると、現場の地下約80メートルで、巨大な円筒形の掘削機が水平方向にトンネルを掘削。カッターヘッドで削った土砂に気泡剤を練り混ぜた泥土を、ヘッドの奥の「チャンバー」という空間にため、周りの土砂が崩れないようにバランスをとりながら掘り進めていた。
ところが、チャンバーにたまった空気が短時間に大量に漏れ出し、地中の亀裂や撤去済みの建物のくいの跡などを伝って地表付近まで移動して、地上の舗装面を押し上げたとみられる。
担当者は「チャンバーから空気を抜く頻度や量が十分でなかった」として、施工管理が不十分だったことを認めた。
当時、チャンバー内の泥土の上部に空気がたまって上下の圧力のバランスが崩れており、今後は、圧力のバランスが正常でない場合に警報の出る新たな管理システムを導入し、再発防止に努めるとした。
同社の中央新幹線建設部土木工事部の秋本直人担当部長らは都内で記者会見し「(周辺の皆さんなどに)ご心配やご迷惑をおかけして、申し訳ございませんでした」と謝罪した。
同社は、来年2月1、2の両日午後、品川区立中小企業センターで現場周辺の住民を対象に隆起の原因や再発防止策の説明会を実施。その後、掘削を再開するとしているが、開始時期は明らかにしていない。
隆起は10月28日、JR大崎駅から南東に約600メートル離れた品川区西品川1で発生。歩道と車道の間に最大約13センチの段差が生じ、同社は工事を中断した。(嶋田昭浩)
【動画あり】道路隆起はリニア工事が原因 JR東海発表 東京・品川区の現場を記者が撮影していた
◆都内に多い調査穴「リスクをゼロにはできない」
JR東海が、空気をためすぎないようにする再発防止策を示したことについて、日本大の鎌尾彰司准教授(地盤工学)は「空気を抜くことができれば、地表の大きな変状は抑えられるのではないか」と評価した。
リニア中央新幹線のトンネル工事の現場付近で隆起した道路=10月28日、東京都品川区で
一方で「空気量を正確に把握し、地盤の状況に応じて管理できるのかは疑問だ」と話す。空気を抜いたとしても、地中の状況によって掘進に使う水などが地表に噴出するリスクがあるとも指摘した。
現場では、集合住宅のくいの穴を埋め戻した際に残った隙間や、電気やガスのインフラ設備を埋めるために入れた砂の層を通って空気が地表に届いたことが推定されている。
鎌尾氏は、特に都市部ではボーリング調査の穴や建物の基礎くいの穴を埋め戻した際に隙間が残る場合がよくあるとし「地表に影響が出る可能性をゼロにすることはできない。リスクがどの程度残されていて、影響が出た場合に補償をどうするのかまで住民に説明しないと、(工事再開の)理解は得られないのではないか」と指摘した。(中川紘希)






