世界最大「赤ちゃん輸出国」の黒歴史、韓国政府が初めて認める 「小児性愛者に送られた」と明かす被害者も:東京新聞デジタル





韓ドラでも、たまに養子に出された子供が韓国に戻ってくるというストーリー展開がありますね。

まあ、日本でも飢饉で、子供を売った話があるように。

以下記事

韓国が1990年代まで推進した海外養子縁組について、政府の調査機関が「子どもや親への多層的な権利侵害があった」と認めた。少なくとも14万人以上が海外に送り出され、被害の全容は不明だが、親の同意がない引き取りや、身元の改ざんも確認された。世界で類を見ない速度で「超少子化」が進む国で明らかになった大規模な子どもの人権侵害に、国内外で波紋が広がっている。(ソウル・斎藤雄介)
◆海外養子縁組98件の調査で56件に人権侵害確認

朴宣映委員長(左)にさらなる調査を頼む被害女性=3月26日、ソウル市内で(斎藤雄介撮影)
 「誠に恥ずかしいわれわれの過去だ」
 政府調査機関「真実・和解のための過去事整理委員会」の朴宣映(パクソンヨン)委員長は3月26日、ソウル市内での会見で、調査結果をこう振り返った。被害が報道されるケースはあったものの、韓国政府が関与した海外養子縁組による人権侵害が公式に認められたのは、初めてだった。
 委員会によると、韓国では朝鮮戦争により親を失った子どもらの養育のため、海外養子縁組を推進。1960年代には特例法も整備し、実務は民間あっせん機関が担った。今回調べたのは、1964〜1999年に海外に送られたとして申請があった367件のうち98件。うち56件で被害が確認された。
 人権侵害の内容は、
▽適法な縁組同意の不在
▽虚偽の棄児発見申告など記録の改ざん
▽意図的な身元すり替え
…など8項目に上る。あっせん機関が実母ではなく保育園長の同意のみを得て子どもを引き取ったケースもあった。
◆赤ちゃんが「荷物のように運ばれた」

飛行機で移送される韓国の子どもたち=デンマークの「養子縁組年次報告書」(1984年12月)より(真実・和解のための過去事整理委員会提供)
 受け入れ国側の需要に応じて手続きを簡略化し大量に送り出したケースもあったという。「荷物のように運ばれた」。委員会の担当者が、飛行機の座席に寝かされた赤ちゃんが並ぶ写真をプロジェクターに映すと、会場がどよめいた。
 また、あっせん機関による養父母からの「寄付金」の強制徴収を、韓国政府が「児童の確保に活用するため」として放置していたことも確認された。委員会は「経済的動機の産業として定着させた」と批判。政府に対し、被害者への公式な謝罪などを勧告した。
 こうした状況を米紙ニューヨーク・タイムズは「世界最大の『赤ちゃん輸出国』が養子縁組詐欺認める」との見出しで報道。一方、英国のBBC放送は「数十年にわたる数々の人権侵害が画期的な調査で明らかになった」と委員会を評価した。
◆ほぼ欧米へ、44年間で14万人超もの子どもが

涙ながらに全容解明を訴える被害女性=3月26日、ソウル市内で(斎藤雄介撮影)
 欧米メディアが関心を寄せるのは、養子の受け入れ先がほぼ欧米諸国だからだ。委員会によると、1955〜99年に海外で養子となった14万人超のうち、最多の9万人超(66%)は米国へ渡り、1万人余(8%)のフランス、8000人余(6%)のデンマークと続く。
 1984年に11歳でフランスへ養子に出された女性は「小児性愛者のもとへ送られた」と受け入れ先でのつらい過去を明かす。周辺には縁組後に自殺を図った子もいるという。
 今回調査対象となった98件のうち、42件について調査委は被害者として認定せず「保留」とした。こうした結果に、女性は「がっかりした」と失望を隠さなかった。朴委員長は「資料自体が残っていないケースがあった」と調査の限界に触れつつ、「韓国だけでなく、受け入れ国も含めて14万人の全数調査が必要だ」と述べた。