「ジムニーノマド」人気爆発の影に「転売ヤー」がいる? 従来モデルは「中古車」なのに「走行0Km」だらけ:東京新聞デジタル




受注停止前に予約、手付金もうち、誓約書にも署名。
さてさて、どうなる事やら。

今の車の車検が切れる前までに納車にならないと困るのだけど、あと1年ちょっと。


以下記事

「ジムニーノマド」人気爆発の影に「転売ヤー」がいる? 従来モデルは「中古車」なのに「走行0Km」だらけ


 スズキが3日、国内で今春発売予定の小型四輪駆動車「ジムニーノマド」の受注を一時停止すると明らかにした。先月30日に受注開始してからわずか4日。月間1200台の販売目標に対し、大きく上回る約5万台の注文があったためだ。その背景には車種の人気はもちろんだが、識者は「転売ヤー」の存在も考えられると指摘する。どう対処できるのか。(山田雄之)
◆「予想外の集中」4日で受注停止
 「予想外の集中だった。欲しいと思っていたり、オーダーしたりしている皆さまにご迷惑をかけている。本当に申し訳ない」。ジムニーノマドが受注停止したことを受けて、スズキの広報担当者は「こちら特報部」にこう話す。

想定を上回る受注があったスズキ「ジムニーノマド」=1月30日、東京都内で(川上智世撮影)
 4月3日に発売する計画で、受注を始めたノマドだが、発表直後から注文が殺到した。単純計算で納車待ちが最長3年半かかる状況となり、スズキは生産が追い付かないと判断した。同社は今月3日に受注停止を発表し、ホームページで「早期に受注を再開できるよう全社を挙げて取り組む」とコメント。発売に先駆けて予定した全国の商業施設での展示会なども中止する。
 大人気のノマドとは、どんな車なのか。1970年に初代の軽自動車モデルが発売された「ジムニー」シリーズの新型車で、昨年末に亡くなった鈴木修前社長が「生みの親」とされる。シリーズは、手ごろな価格で悪路も走りやすい点などが評価され、世界販売台数は累計約350万台に上る。
◆5万台「乗りたい」
 「小型車にもかかわらず走破性が高いという点で唯一無二の存在。競争相手がいない」と自動車ジャーナリストの鈴木直也氏はこう評する。ノマドの特筆すべき点はシリーズで初の5ドアを採用したことだ。「実用性がかなり高まった。家族がいるために購入を我慢していたファン層も飛び付いたのだろう」と分析する。
 これまでの3ドアは後部座席が乗り降りしにくく、荷室も広くなかったが、5ドアの採用で居住性が高まった。生産をインドに集約して量産し、世界に展開することでコストを下げ、265万1000〜275万円の手ごろな価格も実現した。

ジムニーノマドの後部座席(川上智世撮影)
 一方で、約5万台全ての発注が「ノマドに乗りたい」という純粋な動機とは限らない、との見方もある。「人気だからこそ、転売目的が相当含まれているだろう」。自動車評論家の国沢光宏氏は、人気車を購入価格より高い値段で売って利益を得る「転売ヤー」の存在に言及する。
◆そもそも、「月間1200台」は少なすぎ?
 これまでのジムニーシリーズでも長期の納車待ちが発生する状況下で、走行距離「ゼロキロ」で販売される中古車が少なくなかったと紹介し、「スズキは他メーカーのように販売店で転売しない趣旨の誓約書に署名させるなどの対策を徹底してはいない。今回も同様の状況が生まれるならば、結果として顧客離れにつながらないか」と危ぶむ。
 ただ対策も容易ではない。自動車ジャーナリストの渡辺陽一郎氏はトヨタ自動車のアルファードやヴェルファイアなどの人気車種では誓約書に署名させるディーラーがあるとしながらも、「抑止力はあるかもしれないが、法的拘束力はない。効果は限定的だろう」。
 最善策として「欲しい車を頼めば、すぐに手元に届くよう生産量を増やすことに尽きる」と強調し、「ノマドが人気が出るのは明らかで、スズキは需要を予測できたはずだ。月間販売目標1200台はあまりにも少ない」と指摘。販売初期の生産ラインの稼働時間を延長して増産するなどの方法を挙げ、「大幅な増産はリスクを伴うため難しいだろうが、待っているユーザーがいる。意識して柔軟に対応するべきだ」と提言する。