国のリニア有識者会議、JR東海が静岡での環境対応提示 - 日本経済新聞





JR東海は自然を管理、征服できると考えているのだろう。
この驕りが自然を破壊し、大事故を起こす要因となることも知らずに。


以下記事

リニア中央新幹線の静岡工区でのトンネル工事に関し、環境保全を議論する国の有識者会議が26日、東京都内で開かれた。開催は11回目となり、JR東海は前回の会議を踏まえ工事前後の沢の観測方法や大まかな環境保全措置などを初めて示した。今後有識者の意見を踏まえて具体的な環境対応をさらに詰め、生物多様性などを巡る議論は前進する見通し。
リニア有識者会議の様子(6月)

6月に開かれた前回の会議でJR東海はトンネル工事が進んだ場合の沢の流量変化などを定量的に示していた。主要な断層とトンネルが交差する場所の上部にある沢では流量が減る可能性があるとした。それ以外の沢では解析上、流量の変化はほぼ見られなかったという。

流量分析と並行してJR東海は水生生物の調査や、科学的な方法に基づく沢の類型化を進めていた。今回の会議ではこれまでの議論を総括した上で、工事前と工事中、工事後の各段階において重要な沢や流量が減る可能性のある沢など分類ごとにロードマップを示した。

対応は主にモニタリングと環境保全措置になる。沢の種類や工事段階によって異なるが、重要な沢では流量と水温、水質に加えて生物の生育状況、生育環境なども年に複数回モニタリングする。環境保全措置ではまずは影響を回避、低減する対応を検討して、なおも残る影響は代償措置を講じるとした。

低減措置では沢の流量減少を抑える効果が期待されているセメントなどの薬液を注入する案などを挙げた。代償措置としてはトンネル湧水を生かした新たな生態系の創出や沢の環境改善、生物の移植などを並べつつ自治体や地権者の意見を踏まえるとした。

有識者からは「流量変化をトンネル工事によるものか、一般的な天候の変化によるものか今後調べる必要があるかもしれない」といった意見が出た。生物多様性に関する有識者会議ではこれまで環境保全対策の前提となる沢の流量分析や類型化を進めていた。JR東海がロードマップを示したことで、環境保全に向けた具体的な議論の段階に移る。