日米位置協定という日本国憲法より上位にあるお約束のために
基地内の調査すら出来ないというニッポンスゴイ。
以下記事
東京・多摩地域で水道水源の井戸水が発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS(ピーファス))で汚染されている問題で、米軍横田基地(東京都福生市など)近くの井戸水から2018年度に高濃度のPFASが検出され、国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)の27倍とこれまでの都内の最高値であることが分かった。本紙が、都と国による都内の井戸水の調査データ延べ約3000件分を分析した。汚染源として基地が浮上する中、専門家は「可能性がさらに高まった」と指摘する。(松島京太)
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PFAS 泡消火剤の成分やフライパンの表面加工などに使われてきた有機フッ素化合物の総称。その一種のPFOSやPFOAなどは人体や環境への残留性が高く、発がん性やコレステロール値上昇など健康被害のリスクがあるとして国際的に規制が進む。日本では製造や販売が禁止され、2020年に暫定目標値や指針値として、PFOSとPFOAの合計値を水道水や地下水1リットル当たり50ナノグラム以下と設定した。
◆1000件が指針値上回る
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都水道局と環境局、福祉保健局、環境省が公表している05〜22年の井戸水の調査結果と、井戸が個人所有であることを理由に非公表の調査結果を情報公開請求し、分析した。
指針値を上回ったのは約1000件。横田基地東側の立川市にある「横田基地モニタリング井戸」で18年度、これまでの都内最高値となる1リットル当たり1340ナノグラムのPFASを検出した。市内では同1000ナノグラム前後の地点が複数あった。
基地東側の武蔵村山や国分寺、国立市などでは同500ナノグラムを上回り、比較的高い傾向。一方、基地西側の福生市や羽村市、瑞穂町などは低かった。
都水環境課によると、都内の地下水はおおむね西から東に流れている。PFASに詳しい京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)は「横田基地が汚染源になっていること以外、原因の説明がつかない」と指摘。検出時期が古い地点でも「PFASは土壌中で長期に残留するため、過去の濃度から大きく下がっていることはない」と話した。
横田基地広報は本紙の取材に「外部機関の調査について言及することはできない」とメールで回答した。
都化学物質対策課の担当者は「都内全域の状況を把握するためデータを集めている段階で、横田基地を汚染源とするにはデータが足りない」と答えた。
モニタリング井戸は、1993年に基地で起きた燃料漏出事故を受けて都が設置。私有地にあり、都は詳しい住所を情報公開で明らかにしていない。飲み水として使われていないことを理由に、18年以降は調査をしていないという。
都の調査では、町田市で10年に1リットル当たり約5800ナノグラムを検出。だが周辺で他に高濃度地点がなく、担当者が「現実的な数字ではない」と誤判定の可能性を示唆したため、本紙は参考値として分析から外した。
◆調布ではPFOAの数値突出 基地以外の汚染源か
東京都や環境省が2005〜22年に実施したPFAS(ピーファス)に関する井戸水の調査で、調布市の井戸からPFASの1種のPFOA(ピーフォア)が高濃度で検出されていたことが、本紙のまとめで分かった。専門家は、PFASが高濃度で検出された立川市内と著しく成分が異なるため、米軍横田基地(福生市など)とは別に、調布市周辺にPFOAの汚染源がある可能性を指摘する。(松島京太)
PFASの都内最高値が18年度に検出された「横田基地モニタリング井戸」(立川市)では、PFOS(ピーフォス)が1リットル当たり1200ナノグラムと高い一方で、PFOAは同140ナノグラムだった。
調布市内でPFASの最高値を検出した井戸は、19年度の調査でPFOAが同403ナノグラム、PFOSは同153ナノグラムだった。
都などが調査した約3000件から、PFOAの値が同250ナノグラムを超えた井戸を抽出すると、9件中7件が調布市内で、他の2件は立川市と渋谷区だった。調布市を流れる地下水の下流域に当たると考えられる狛江市でも、PFOAの値が高い傾向が見られた。
高濃度が検出された調布市内の井戸は、調査結果に明記された深さが5メートルと浅い。京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)は「浅い場所を流れる地下水は近くで起きた汚染の影響を受けやすいため、付近に汚染源があるのではないか」と分析する。
PFASを使用する大規模施設として、調布市内には都が運営する調布飛行場がある。飛行場によると、09〜13年にPFOSとPFOAを含む泡消火剤を、13年以降はPFOAを含む泡消火剤を設置。ただ過去に漏出事故の記録はなく、消火訓練では水を使用しており、担当者は「関連性は低い」としている。
製造工程でPFASを使用する周辺の半導体製造工場も取材に、「下水に適切に排出しており、汚染源である可能性は低い」と回答した。