図書館本 良書 お勧め

宮沢氏の講義を受けている学生さんたちは幸せだと思う。
しっかりしたウイルス学の基礎から現在、そして未来の展望を俯瞰できるのだから。

2020年初頭からのコロナ禍においては本当のウイルス学者はあまり表に出て
コメントなどをしてこなかった。中には日本にはコロナの専門家はいないと言った
私立大学医学部の教授まで居て驚いたものだ。日本人のコロナ研究大家は現在は
テキサス大学の教授であり、彼の弟子が日本の大学や研究所でコロナウイルスの
研究に従事しています。

また、ご自身の論文内容の疑義があり、アビガンを早く処方しろとテレビで叫んでいた
トンデモ医学博士(医師でも、薬剤師でも、獣医でもない)が毎日の様にテレビの
ワイドショーに出てトンデモコメントをしていたことを記憶している。

本書の著者の宮沢氏も何度かTVに出演していたが、言葉尻を取られて炎上?したことも
あるようだが、それによって彼のこれまでの素晴らしい業績の評価が落ちる事は無い。

著者が危惧するように、ヒトに病気を起こす病原体だけに高額の予算を付けてきた事の
反省が今行われ検証されている。
昨今の新興再興感染症の多くが人獣共通感染症、One Health そしてZoobiquity(汎動物学)と
いう文脈で研究解析されなければいけない事は明白な訳です。人の病気に獣医が口出すな的な
論調がある事に情けなく感じます。ウイルスに職種も国境も関係ないんです。

そして、専門家が自分たちの得意分野を共有して立ち向かわなければいけないのです。

宮沢氏もそれを最後に強調しています。