図書館本

2019年に厚労省を辞められたキャリア官僚の吐露でしょうか。
昔から、厚労省を辞めてエッセイを出した医系技官(医師免許あり)は何人かいましたが
文系の政策や法務を担当していたキャリアの方の本は個人的には初めてです。
他の省庁も、経産省、財務省などいわゆる脱藩官僚と言われる方々の本も何冊が読みました。
共通している点は、お役の掟と政治家との絡み、非効率な省庁の働き方などでしょうか。

本書もまさに、非効率さと政治家とのある意味での格闘。一般常識からかけ離れた?
霞が関の常識が綴られています。

そして多くのキャリア官僚(ノンキャリアも)が辞めていく現実の背景が理解出来ます。
サービス残業、無駄と思える国会対応で体も心も疲弊していく職員たち。
明らかに意味のない質問主意書に対する答弁作成。
議員からの圧力(挨拶原稿作成、議員支持者への対応等々)

ますます、世界から周回遅れになる美しい国ニッポンなのでありますね。

ブラック霞が関(新潮新書)
千正康裕
新潮社
2020-11-18