図書館本 良書

感染列島強靭化論 藤井聡 高野裕久 晶文社 2020年12月を同時並行に読んでいました。
国土強靭化の先生がついに公衆衛生分野まで強靭化と叫び出されていて
「8割自粛戦略は効果が無く、被害だ甚大だ」「実行再生産数は感染が拡大すればするほど減少する」「分散型国土形成こそ、感染症対策の要諦、だからMMTで金を刷れと」これまでスーパーメガリージョン(リニア新幹線も)なんていうゼネコン大喜び案件を主張されていて、分散型だから全国に新幹線だと。さすが土木系な先生でした。

さて、本書ですが、どうして8割自粛が必要だったのか、数理モデルの専門家としてクラスター対策からいかに感染者数を減らし死亡者数を減らす事が可能なのかと新型コロナ感染症対策の最前線で奮闘した人々の姿が目に浮かびます。

厚労省や内閣官房の官僚や政治家とのやり取りも、若干控えめに書かれているとは想像しますが、いかに科学的根拠に基づく指摘が受けいられないかという事実がわかります(社会的、経済的影響を科学者は普通考えないのは事実ですが)。

備忘録メモ
情報共有の困難さ(FAXでの紙ベース、個人情報の取り扱い等)
感染症数理モデルの認知度の低さ(日本の感染症対策の脆弱さ 予算の低さ)
2次感染場所の推定から3密を規定(密閉、密集、密接)官邸官僚のアイデア
ヨーロッパから入国の実質的フリー(自粛要請のみ検査無し)
オーバーシュートで病床が足りなくなる 死亡予測数の公表妨害
科学的概念説明抜きの事務連絡通知(父権主義的発想:パターナリズム)
リスク・インフォームド・デシジョン(意思決定支援)の重要性
NHKが取り上げてくれないことも(クローズアップ現代 3密、2次感染に関して)
モバイル空間統計から東京、大阪の危機を探知
感染経路不明と発表した感染者にもリンクがある人が多数いた(東京都)
3月後半から銀座での流行が出始め、その後六本木、麻布で感染者数増加 富裕層
夜間外出禁止 誰が発表するかでもめる
内閣官房で書き換えられた8割。資料から抜かれるデータ
最悪を想定してドイツでの基本再生産数2.5をもとにする事の正しさ
データの限界 東京都と厚労省でのデータ共有の一時的停止(人為的)
アベマスクに切れて西村大臣に怒った尾身先生
責任を取りたがらない政治家、政権は責任を取れない構造で弱弱しく、専門家に批判がのしかかる。
経済の専門家が来たものの、、、マクロな方、PCR検査の拡充の分析、、、、計量経済学者いない
緊急事態解除、GoToで移動開始
脅迫、殺害予告 警察官の護衛
研究の4つの論点 夜間の繁華街制御だけで流行は止められるか? 予防接種の優先順位は?一般社会での本格的流行が起きた時にどうなるか? ファクターXはあるのか?
感染率の高い変異株の進入を予測