図書館本

週刊朝日に2008-2013にかけて掲載された対談と語り下ろし
五木さん(1932-)と姜さん(1950−)という知の巨匠と言っても良いお二人。
五木さんは戦争での苦労、姜さんは自身の出自に関する苦労
そして日本という国の中で生きて来た現実

お二人とも宮本常一の様に歩き、聴き、言葉を紡いで来た人だと再認識しました。
まさに生きる哲学をご自身で一つ一つ丁寧に積み上げてきたのだと。
宗教、文化、国籍、身分など多岐にわたる話題での対談が興味深い。
特に西部邁氏の自死に関するお二人の語らいはなるほどと思った。

五木さんは沖浦和光さんとの同行取材もされているように漂泊の民や漂流者というコンテクストに
非常に親和性が高く興味があるのだと再度認識した。
だからこそ、タイトルに漂流者を入れたのだろうと勝手に妄想したのである。


漂流者の生きかた
尚中, 姜
東京書籍
2020-07-09