図書館本 良書

科学は万能ではない。その当たり前の事がおざなりにされているのが
自然環境の分野ではないかと感じる。

人間の力で自然は管理、制圧、利用出来ると考えている。
そして地球を人間が支配するのだと。
自然に生かされている人間の強欲が感じられる。

生物多様性を減少させ、多くの絶滅生物を作り出す、森も川も海も汚染する。

そんな環境を少しでも改善したい、元に戻したいと著者は考えていると思う。

著者は土、空気、水という基本的な「生」の源を対象として見つめている。
土壌中の微生物、水脈、空気等(通気浸透性)、そのどれもがバランスを崩せば病気になる。
まさに人間(動物、植物同様)の体と同じではないかと。

松枯れやナラ枯れも単一の原因でなく土壌にも大きな原因があると。
砂防ダム、治山ダム(管轄が違うと名前が違う)による治水が本当に正しいのか?
(単純なシミレーションで自然を解析しているのではと)
現在のような大型の機械力が無かった時代の知恵が生かされていない。
豊かな森が、豊かな海の漁場を作る事は知られている。そこに森ー川ー海の繋がり。

コンクリートやアスファルトで自然を痛めつける事で結局最終的には人類が破滅していくのであろう
という流れが現在なのかと憂うる。
少しづつでも高田さんらの考え方や実践結果が科学的にも証明されていくことを期待したい。