コロナ問題で変わっていく価値観とは何か 養老孟司が考えるコロナ論【#コロナとどう暮らす】 | 特集 | Book Bang −ブックバン−
さすが養老先生なのである。都市化、脳化社会を綴っています。ブレない思想です。
一部記事より
「明治政府は富国強兵というスローガンを掲げた。強兵は敗戦で消えたが、富国は残った。軍事と経済は「ああすれば、こうなる」すなわち予測と統御の典型である。予測と統御は意識の特徴的な機能である。日本の「近代化」とは意識化、都市化であり、それには無秩序の排出が必要である。具体的にそれを担ったのがエネルギーであろう。石油を消費して、世界を統御する。世界には秩序が成立するが、同時に無秩序が排出される。それが地球温暖化を招く。まことに理屈に合っているというしかない。」
「アップルの創始者スティーヴ・ジョブズはStay home.ではなく、Stay hungry, Stay foolish.とスタンフォード大学の卒業式の式辞で述べた。その真意は捉えにくい。ただし式辞全体をネットで聞くことができる。素晴らしいスピーチというべきであろう。その中で彼は言う。「夜には死ぬという前提で毎日を始める」。コロナは死という生の前提を各人の目前にもたらした。これで人と人が構成する社会が成熟しないはずがない。それを期待して、本稿を終える。」