図書館本

日本における動物実験の問題点を、時事通信社記者である森さんが丁寧に深く調査取材した内容。

私自身が動物実験を多くやってきた関係で、指摘されている問題も良く分る。
特に学生の頃、今から30年以上前であるが、動物の福祉なんて考えなかったし
獣医学の中にもそんな項目は無かった記憶である。

ただし、動物実験があるおかげで医薬品開発や化粧品、食品、農薬開発などがこれまで行われた来た事も事実である。

現在は3Rという
Replacement(代替)
Reduction(削減)
Refinement(改善)というある意味当たり前の指標が示されている。
しかしながら、大学、企業の中には情報公開を求めても非公開や取材にすら応じない所もある。

本書では比較的新しい2010年代に取材した獣医大学、大学実験動物センター、企業での実験動物棟などのある意味、世間に見せたく無い闇を探っている。
そこには大学間での大きな対応の違いや、実験動物に対する扱いの差異が認められる。
また、実験動物学会や実験動物を販売する業界団体、安全性試験等で動物を使用する企業などの
立ち位置や法律に対する取り組みも異なっている事が良くわかる。
動物愛護法にも色んなロビー活動がある事も分かった。
自民党は三原じゅん子氏(愛護議連事務局長)山際大志郎(獣医師免許あり 愛護議連幹事長)

犬が殺される 動物実験の闇を探る
森 映子
同時代社
2019-03-11