栄養塩、富士川が供給か 静岡市調査、河口域で濁り強く|静岡新聞アットエス


雨畑ダム関連 
(2020/3/27 10:17)

 静岡市は26日までに、清水区の由比・蒲原地区の沿岸10地点で昨秋から先月にかけて、市が委託した民間会社による漁場環境調査(水質、底質、海底状況)結果をまとめた。水質調査では、台風19号や降雨が続いた昨年10月に表層(水深50センチ)と中層(同5メートル)の海水を採取したところ、富士川河口域の表層で土粒子を主とした濁りが強く、河口域から離れるほど弱まったことが分かった。
 また、由比川も含めた河口域では、表層の栄養塩の数値が富士川河口域を筆頭に高かった。市は「栄養塩の大部分が河川から供給されている可能性がある」と指摘する。
 ダイバーが海底に円筒を差し込んで組成などを分析した底質調査では、日本軽金属蒲原製造所の放水路沖で、海底部上層の粘土やシルトの割合がほかよりも高かった。海底付近を撮影しながら静物や底質を調べる海底状況調査では、岩礁には藻場が生育し、魚も確認されたが、海底が砂で単調な地点では魚は少なかった。
 市は今月、漁業関係者らに結果を説明した。放水路からの影響などに関する質問があり、「調査が出水の時期に行われたため、富士川からの出水の影響の方が大きかった」と回答したという。
 市は2020年度一般会計当初予算に調査費380万円を盛り込み、年に4回継続して水質調査を行う方針。