【経済インサイド】リニア中央新幹線 完成後は安全保障で貢献へ(1/2ページ) - 産経ニュース



JR東海様に書かされています?それとも忖度?

リニアのトンネルにJアラートで逃げるんでしょうか?(笑)

以下記事 備忘録

JR東海のリニア中央新幹線の整備が各地で進んでいる。運行区間の約9割でトンネル内を走行するのが特徴だ。完成すれば、東京、名古屋、大阪の三大都市圏をつなぐ重要な輸送網となるが、実は日本の安全保障面で効果を発揮するとして期待されている。

 リニア中央新幹線は、最高時速505キロを実現するため、走行区間はカーブが極めて少ない。直線に近い形でルートを引くことで、東京−名古屋間の距離を東海道新幹線より約50キロ短縮した。このうち、86%に当たる247キロの区間でトンネル内を走行する。深さ40メートルの地中においては、地権者への事前の補償なしに事業者が使用権を設定できる「大深度地下」の認可を受ける。地下に設置される駅までの深さはおよそ20〜50メートル。つまり、大都市間の地下を直線で結ぶ移動路と避難施設を備えた、巨大な施設となるわけだ。

 このリニア中央新幹線の特徴について、「抗堪性(こうたんせい)が強い」(関係者)と期待されている。抗堪性とは、軍事攻撃に耐えて防護し機能を維持する能力のこと。自衛隊や警察の部隊がトンネル内を移動しても、敵国の偵察機や人工衛星などから発見される可能性が低いため、安保上の利点があると考えられている。

 海外で鉄道網に抗堪性を持たせた事例の一つに、旧ソ連がモスクワに整備した地下鉄がある。核シェルターの代わりとして、「西側」の地下鉄よりはるかに深く掘られているという。旧ソ連の構成国だった中央アジアのウズベキスタンの首都タシケントにある地下鉄も、同様の機能を持たせるために整備された、との説もある。
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 ウズベキスタン政府は、旧ソ連崩壊後も地下鉄での写真撮影を禁じていた。一説には「軍事関連施設」との扱いだったとされており、撮影が解禁されたのは2018年になってからだ。

 記者は当時、この地下鉄を利用したことがある。ウズベク政府の許可を得て写真を撮影することもできた。プラットホームに天井や壁などの巨大な美術品が飾られた荘厳な造りだった。

 もっとも、この地下鉄の深度は、大深度地下を掘削する箇所のあるリニア中央新幹線と比べて浅いとみられる。核シェルターとしての役割を本当に持たせていたかどうかは定かではない、との見方もある。

日本の安保関係者が懸念するのは、軍事力の増強を進める東アジア各国の動向だ。10月1日、中国・北京で挙行された軍事パレードでは、無人偵察機などが披露された。北朝鮮は短距離弾道ミサイルなど飛翔体を相次いで発射し、日本を取り巻く安保環境は変化している。その意味でも、抗堪力の強い施設の整備は重要性が増している。

 一方、着々と進められる中央新幹線の整備だが、進捗が不透明となっている箇所がある。

 工事による大井川の流量減少問題で、JR東海と静岡県との対立が続き、静岡工区は未着工だ。JR東海は10月初旬、山梨県の実験センターで試乗会を開催。「いまだ工事関係者の宿舎整備などの準備工事の段階」と説明したが、着工の見通しは立っていない。

 JR東海のある幹部は、最高時速505キロで営業運行できる陸上の乗り物は将来的にも実現は難しいとして、リニア中央新幹線が「陸上の交通機関としては、最後の乗り物になる」と期待を寄せる。多様な効果が見込まれる次世代の交通インフラだが、お披露目される日はまだまだ遠く、実現が遅れれば、安保上の損失は計り知れない。(経済本部 岡田美月)