図書館本

藤井さん(1970-、大東文化大准教授)の自身も新宿区のごみ収集作業に参加しての論考。
職業に貴賤無しな社会において、あまり誰もが希望してやる業種では無いと思われる仕事。
しかし、都市部において絶対的に必要な仕事であり公共サービスである。
本書は単にごみ収集の体験談にとどまらず、ごみ収集の歴史、システム、問題点を社会学的な
側面からも論じています。
直営なのか委託なのか、係わる人たちへの面談などを含めて。

北の国からで純がゴミ収集の仕事を続ける理由です。
純はこのように言っています。
人に喜んでもらえているということが
仕事の励みになる。
ゴミ収集の仕事をつづけて3年。
何度も嫌になり、疑問を抱きやめようかと投げ出しそうになって
それでもこの仕事を続けてこれたのは
ゴミを出しに来る町の人たちからお礼の言葉を投げかけられるからだ。
くじけそうになる僕の気持ちをかろうじて支えてくれたものは
人に喜ばれている、そういう意識であり
引用ここまで

果たして新宿区でどれほどの人が感謝の気持ちを表明したのか?

またルトガー・ブレグマンの隷属なき道では、1968年、ニューヨークのゴミ収集作業員がストライキを起こし、1週間後に市長から譲歩を引き出したこと。
その理由は、たった1週間で市内はゴミだらけになり、まるでスラムのようになってしまったからです。そして現在、ニューヨークのゴミ収集作業員は誰もがなりたい職業となりました。
勤続5年で年収7万ドル、くわえて残業手当をはじめとする各種手当がつきます。
ゴミ収集作業員は、人々の生活を支える大切な仕事なのです。


備忘録メモ
新宿2丁目の無法状態 ある意味手厚い行政サービス
公務員、委託先の非正規なスタッフ、異なる待遇
清掃作業から見えてくる地域の問題点、ゴミ屋敷、違法就労者、犯罪等々