図書館本

人工知能とベーシックインカム
貧困、格差、分断の問題解決にいかに貢献するのだろうか、という論考でしょうか。

AIに関しては、ソフトおよびハード面でかなりの進歩をしてきていてディープラーニングなどにより人間を上回る分野も出て来てはいるが、やはり「快」などの感情的な部分は当分AIには無理だろうと指摘いている。AIが生み出す富を再分配しないとディストピアに向かう。
要するにAIと人間との共存をいかに人間の幸福に利用するのかが課題ということだ。
そこでBIとAIの共存が注目されている。
結果的にはBIの導入が民主主義を守り、資本主義のダイナミズムを回復させてくれる多分唯一の方策だと筆者は指摘する。
そして労働からの解放は仕事と活動が豊かな生活を導きだすとする。そのためにはAIが一部の人間(資本側)に支配されてはいけないとも。

BIの制度的長所
シンプル
運用コストが小さい
恣意性と裁量が入らない
働くインセンティブが失われない
個人の尊厳を傷つけない
3つの経済思想(共同体主義者、自由主義者、新自由主義者)からの合理性
財政的障壁は解決可能
BI導入の抵抗
 官僚の抵抗
 働かざる者、食うべからずの社会通念
 経済学的イシュー フリーラーダー(ただ乗り)問題、財政問題
BI試験導入事例 フィンランド、オランダ、カナダ、シリコンバレー、ケニア
再分配における高い国民負担率(ヨーロッパ諸国)

2029年には知的活動の全ての分野において特化型AIが人間の能力を上回り、2045年には汎用型AIが開発され知能面で全面的に人間を凌駕すると予想。
第1次、2次産業革命がもたらした豊さ(人口増大、寿命、収入)