図書館本
書き下ろし2編と文学界で発表された2編

信州佐久病院の医師としての南木さん(1951−)も退職したのだろう、そんな話が綴られている。
生老病死の世界を本当に分かりやすい言葉で綴っている。

貧しき嬬恋村(たしか生まれは)での生活、幼少時代の想い出。
秋田での医学生を終えて就職した佐久病院。

自身のパニック障害と鬱との共生。
そこから生まれたのだろう、自然への回帰と穏やかな生き様。

間伐材で小屋を仲間と作り、やがて解体してストーブの薪として終える。
まさに人生そのものだろう。

信州の森、千曲川、自然の恵み、渓流魚、一つ一つが重なり合い生かされる自分なのだろう。

南木さんの文章はいつ読んでも、自然や地域に生かされている自分を感じるのである。

小屋を燃す
南木 佳士
文藝春秋
2018-03-29