図書館本

内田さんが各種媒体に発表した(没もある)文章を再構成しています。
1.死者を背負った共苦の「象徴」
2.憲法と民主主義と愛国心
3.物語性と身体性
というカテゴリーでまとめられています。

網野善彦氏の著作や民俗学的考察、そして歴史的な天皇制に対する民衆と権力者の対応等から
内田さんが上手く天皇の象徴としての役割を論じていると思います。
基本的に私も内田さんと同じく天皇主義者になった一人です。

備忘録メモ
天皇陛下のおことば 2016年8月8日の意味するもの 改憲を抑制する動きと海外メディア
戦後、天皇制に対する関心は低かった
立憲民主制と天皇制は原理的に両立しないと言う人に対して「両立しがたい二つの原理が併存している国の方が政体として安定しており、暮らしやすいのだ」
天皇の役割 権威でなく霊的権力 道徳的中心
現代日本の政治の本質的なバトルは「ある種の死者の負託を背負う首相」と「すべての死者の負託を背負う陛下」で展開している
陛下の意思としての慰霊の旅 儀式を行うこと(天皇の国事行為)
天皇制の根本的な機能は日本という国の霊的統一。
今の指導者層 主権を知らない子供たちが形成 アメリカの属国民であるこは自明の歴史的与件
 対米従属技術に長けた「対米従属テクノクラート」アメリカで学位、アメリカに知友 アメリカに忖度

権力者による海民性排除の理由 海洋的であることと島国的にあること 国運の潮目
徳仁親王のオックスフォードでの研究内容 日本で馬車が発達しなかった理由 水上交通の発達との関連 天皇と海民とのかかわり
三島由紀夫と天皇制 全学連との議論

街場の天皇論
内田 樹
東洋経済新報社
2017-10-06