図書館本

池田さん(1960-2007)が亡くなってすでに10年。

池田さんにとっての哲学とは生きる知恵だった記憶している。
知る事より考える事。
そして、食うために生きるのではなく、生きるために食う。

おそらく本書で紹介されている池田さんの本は全て目は通していると思うのだが
すでに多くの事が忘却の彼方に行ってしまっていたことを改めて痛感した。

14歳からの哲学をはじめとして、未だに池田さんの著作で絶版になったものは無いと聞く。
良いモノは未来永劫に続いていく、普遍的な価値を継続しながら。

備忘録メモ
正義と倫理が、嫉妬の別名
信教の自由、信教の不自由が正しい 信じることより考える事
「生きる力」というのは、言葉を換えれば、「腹の括り方」みたいなもの。いい大学、いい就職、
それがどうした。「僕は善く生きるということを知っている」
我々の日常とは、明日死ぬ今日の生、その連続以下買いの何ものではない。なのにどうして人は、
言葉を求めずにお金を求めるのか。

本書には登場しませんが、僕の好きな池田の文章

暮らしの哲学より

回帰する季節に記憶を重ねることで、人生の一回性を確認することに他なりません。中略。
大人になっても夏は来ます。でも夏休みはもう決してやって来ない。

毎年、夏の気配を感じとる頃、夏を待っているのか、夏休みをまっているのか、よくわからない感じになる。
大人になって勝手に夏休みをとることができ、贅沢な旅行ができるようになっても、子供の夏休みの日々、
あの濃縮された輝きにかなうものではないとういうことが、よくわかっている。おそらくすべての大人がそうでしょう。

すべての大人は、もう決してやって来ない夏休みを待っている。人生の原点であり頂点でもある無時間の夏、
あれらの日々を記憶の核として、日を重ね、年を重ね、流れ始めた時間の中で繰り返しそこに立ち戻り、
あれらの無垢を超えることはもうこの人生にはあり得ないのだという事実に、今さらながら驚くのではないでしょうか。
(夏休みは輝く)


こんな内容 HPより
不安の正体 ―― 思い込みを見抜く
人間の品格 ―― 無駄な人になりたいか
社会と現実 ―― 損か得かの問題なのか
他人と自分 ―― なぜ人に好かれたいのか
肉体と精神 ―― 病気というチャンス
存在の謎 ―― 自分の命は誰のものか
人生の意味 ―― 生きることに理由があるか
死に方上手 ―― 死んでも続く楽しみ ・・・・・・全92篇