図書館本

2017年NHKスペシャルの番組 731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験〜 
番組であらたに出て来た証拠を詳細に写し出していた。
それで興味を持ち、過去の書籍を読んでみた。

本書はジャーナリストの調査報道である。緻密な取材を元にいかに731幹部らが罪を免れて
なんら謝罪することなく戦後生きていたかを綴っている。
エリートと言われる官僚、技官(医師、獣医師)らがいかに悪魔として戦争の名の下に悪行を続けてきたのか、
そして戦後、口裏を合わせ、アメリカへ協力することで戦犯免責を付与されたか。

読んでいて、戦争というものが、いかに人間を狂わせるのか、そして感情を失わせるのかが少しだけ
理解できた様に思う。

備忘録メモ
陸軍中央も731部隊での人体実験は承知していた。 
関東軍作戦主任、731部隊担当 竹田宮恒徳央王
風船爆弾に細菌を積む計画 内藤良一軍医中佐(後のミドリ十字社長)人体実験は無かったと嘘証言
100部隊(関東軍軍獣防疫廠)高島一雄獣医大佐 
牛疫ウイルスの風船爆弾でアメリカ攻撃計画
サンダースレポート (戦争免責にかんする文言は無い)
ハバロフスク裁判 日本軍の実験により2千人が死亡 細菌戦関係者12人を捕虜
亀井貫一郎(政治家、通訳) 鎌倉会談
731 2代目部長 北野政次軍医少将(東京帝大医科学部、伝研、石井と同卒業年次)
アメリカでの生物兵器開発と野外実験 1950年以降






NHKスペシャルのHPより 731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験〜 
戦時中、旧満州で密かに細菌兵器を開発し実戦で使用した、731部隊。部隊が証拠を徹底的に隠滅、元隊員が固く口を閉ざしたため、その実像を知る手がかりは限られてきた。
今回NHKは、終戦直後、旧ソ連で行われたハバロフスク裁判の音声記録を発掘。20時間を越える記録では、部隊中枢メンバーが、国防や国益のためとして細菌兵器を開発した実態、そして旧満州で日本に反発していた中国や旧ソ連の人々を「死刑囚」とし、細菌兵器開発の「実験材料」として扱っていた実態を、克明に語っていた。
さらに、元隊員の資料や当時の学術界の膨大な記録からは、軍だけでなく学術界からも多くの研究者が部隊に参加していた実態が浮かび上がってきた。満州事変以降、学術界が軍と関係を深めていった過程、そして日本軍が旧満州で反発する人々を死刑にすることについて世論の支持が高まる中で「死刑囚」を研究に活用する動きが相次いでいた実態も明らかになってきた。
731部隊はどのようにして生まれ、そして医学者たちは、どう関与していったのか。数百点にのぼる資料をもとに、731部隊設立の謎に迫る。