パタゴニア日本支社 長崎県民対象の世論調査を実施:時事ドットコム
[パタゴニア日本支社]
石木ダム建設、反対が賛成を上回る、「説明不十分」が約8割
詳しい報告書はこちらです。
アウトドア企業のパタゴニア日本支社(本社: 米国カリフォルニア州ベンチュラ、日本支社: 神奈川県横浜市)は、本日6月22日(木)長崎県政記者クラブに於いて記者会見を行い、「石木ダム建設計画」に関する世論調査の結果を発表しました。
パタゴニアは「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」ことを企業理念の中に掲げ、様々な環境保護活動を行っています。
長崎県と佐世保市が東彼杵郡川棚町に建設計画を進める石木ダムについて、多額の税金を投入しながら豊かな自然と13世帯の生活を奪うだけの建設の正当性や説明が乏しいことを疑問視してきました。
そこでパタゴニアでは外部のリサーチ会社を利用し、今年5月23日〜31日の期間で長崎県民2500人を対象とした「石木ダム建設計画」に関する調査を実施しました。その結果、県民の中で「反対」が「賛成」を上回り、また県民の約8割が建設計画に対して「説明不足」だという回答が出ました。
これを受け、パタゴニアは、一度立ち止まって専門家の意見に耳を傾け、賛成、反対、中立の立場の人たちが、公開の場で話し合うことの必要性を呼びかけます。
● 長崎県民が負担する538億円
長崎県・川棚川の下流にある小さな支流、石木川にダムを作る建設計画があります。総工費は538億円です。長崎県民が負担します(※1)。
※1 石木ダムの総事業費は建設費と関連事業費を合わせて538億円。負担先は、長崎県負担185億円、佐世保市民負担353億円。うち、国庫補助金(=国民の税金)147.5億円。
● ダム建設に反対の割合が賛成者を上回る
長崎県民がこれだけ大きな負担を負うにもかかわらず、実は、ダム建設に反対する人の割合は賛成する人を上回っています(グラフ右)。また、県民の2人に1人が石木ダムの計画について「よく分からない」と調査で答えるなど、客観的に見て、巨額の公共事業の進め方としては疑問を呈さざるを得ない状態です。
● 「説明不十分」の回答が県民の約8割
石木ダムの建設計画は40年前からあるため、「石木ダム」という名称自体は有名です。しかし、その必要性や県民の負担についてきちんと理解できている県民は少なく、調査でも、県民の約8割が、県が「十分な説明をしていない」と答えています(グラフ左)。またこれまで、ダム建設予定地の地権者など、石木ダムの建設に反対する団体が公の場で県の恣意的な水の需要予測や治水に役立つ根拠の無さなど、その必然性に対する疑問を呈してきていますが、それに対する長崎県の直接的な回答はありません。
● 公の場で、推進と反対と中立の立場の議論を!
専門家をまじえて、ダムを造りたい人と、ダムに反対する人とそれぞれの意見が一度に聞ける公開討論会の開催を長崎県に求めるため、下記のようにChange.orgで署名を本日6月22日(木)より開始します。
是非こちらで署名を。change org 石木ダム
また、同時にパタゴニア公式サイトでは、本日より、石木ダムの建設により沈む予定の川棚町川原地区で、半世紀もの間ふるさとを守るために戦ってきた13世帯の家族の暮らしをめぐるドキュメンタリー映画『プロテクターズ・オブ・ファイアフライ・リバー(ほたるの川のまもりびと/パタゴニア特別限定版)』の公開も開始します。
『プロテクターズ・オブ・ファイアフライ・リバー(ほたるの川のまもりびと/パタゴニア特別限定版)』
・監督:山田英治 (映画監督/脚本家/クリエイティブディレクター/CMプランナー)
・物語:長崎県東彼杵郡川棚町川原地区の住民は、川棚川の支流石木川を囲むように、先祖から引き継ぐこの地で自然とともに生活を営んできました。いま、ダム建設によって、その生活が奪われる危機にあります。川原地区の13世帯の住民は計画が持ち上がってから半世紀ものあいだ、計画の見直しをもとめ、ふるさとの自然と暮らしを守る活動がつづいています。[日本語+英語字幕付き]
・詳細を読み、行動を起こす: patagonia.com/protectors-of-firefly-river.html
当映画は、来月7月から約1ヶ月に渡ってパタゴニア直営店をはじめとする全国25箇所で開催される『Granted Film Festival(グランテッド・フィルム・フェスティバル)』ツアーでも、特別編作品として上映します。
グランテッド・フィルム・フェスティバル: patagonia.com/jp-granted-film-festival.html