おやじのぼやき : 在来魚を後世へ 山梨の研究者 - livedoor Blog(ブログ)
地道な研究が世の中には沢山ある。
記事に登場する坪井さんが、FBで友達になれるなんていう光栄なこともあるのである。
以下当時のブログのコピペ
良いニュースは本当に嬉しいものです。
それも、若い研究者や若い人たちが係っている仕事は。
もちろん、それを支える組織や上司の理解やサポートがあるのです。
イワナもそうですが、在来のヤマメも残って欲しいですね。
そして、それは釣り人のためではなく、動植物が生きている自然と言う世界のために。
う〜〜〜ん転職したい(笑)
以下 転載
ヤマトイワナ:人工ふ化、県水産技術センターが成果 絶滅の危機、調査で判明 /山梨
オレンジの斑点が特徴で、国内でもごく一部の地域にしか生息していない「ヤマトイワナ」が、県内の渓流で絶滅の危機にひんしていることを受け、県水産技術センター(甲斐市牛句、芳賀稔所長)は06年からヤマトイワナの系統保存を目的に、人工採卵とふ化に取り組み始めた。イワナを捕獲した直後に採卵し受精させるという工夫をこらし、他県の人工授精と比べて極めて生存率は高いという。【中西啓介】
ヤマトイワナは富士川(山梨)、木曽川(長野)、大井川(静岡)の源流のごく限られた地域にのみ生息する渓流魚。体長は約23〜25センチで、一般的なイワナのニッコウイワナより小型。黄色みを帯びた体にオレンジ色の斑点があり、釣り人には「幻の魚」と呼ばれている。真夏でも15度以下の水温を好むため、生息域は山間の清流に限られる。
絶滅の危機にあることは県が96年度に始めた渓流魚を対象とした調査で判明。県内にある多摩川、桂川、富士川の全3水系の河川の支流のうち、渓流魚が生息できるとみられる709本を調査しているが、ヤマトイワナはこの11年間で、28河川でしか見つからなかった。
同センターによると、生息数の減少には、1970年代から県内でコンクリート製の砂防ダムの建設が急速に進み、清流が少なくなった影響がある。また、釣りを楽しむために漁協などが放流するニッコウイワナに、体の大きさや繁殖力の点で及ばず、生息域を奪われているのも原因の一つとみられる。
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絶滅を防ごうと同センターは06年10月、県北部の富士川水系の渓流で、産卵期を迎えたヤマトイワナの捕獲と採卵を始めた。電気ショックにより一時的に気絶させたイワナ85匹を捕獲。成熟したメス7匹からその場で1100粒の卵を採取し、オスから採取したばかりの精子と受精させた。
受精卵は同センターの支所(忍野村)に運び、8度の水で約3カ月管理。98・7%がふ化し、84・9%が餌付けできるまでに成長した。同センターによると、生存率は他県で実施された人工授精に比べても極めて高いといい、「遠く離れた研究機関まで運ばず、捕獲した現場で卵を採取し、受精させたのが成功の理由ではないか」と推測している。
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今回生まれた稚魚は成魚となるまでの約3年間、同村で育てる。その後は水族館などに展示用に配るほか、かつて生息していた県内の渓流に放流したい考えだ。
同センターは今年10月には、第2回目の人工採卵を予定しており、今回は1万粒以上の卵の採取を目標にしている。また、採卵を控えた魚が河川を遡上(そじょう)するための道を設置した「透過型堰(えん)堤」の整備も県の河川砂防担当者とともに進める。生息調査も拡大して継続し、効果を測定したい考え。同センターの坪井潤一研究員(28)は「地道な研究を通じ、効率的な採卵や飼育方法の確立を目指し、ヤマトイワナを本来の生息域に帰したい」と話している。
毎日新聞 2007年5月27日