鉄路の行方・JR発足30年:/4 JR東海 リニア「自前」に国の影 - 毎日新聞


山梨実験線、宮崎実験線 鉄道総研に莫大な国費が投入されていることは書かれていません。
そして財投を受け入れた。

リニアのドンの名前は籠池証人喚問でも出てきましたね。首領様の裏にいつも控えておられるようです。

負の遺産という歴史になる前に撤退するのが最善策と思います。



以下記事
1日平均約41万人が利用するJR東海の名古屋駅。昨年12月、地下約30メートルでリニア駅を整備する工事の起工式があり、柘植(つげ)康英社長は「在来線の直下で工事を進める。細心の注意を払いたい」と気を引き締めた。

 時速500キロで走るリニア中央新幹線は東京・品川−名古屋を最短40分で結び、2027年に先行開業。その後、大阪に延伸する。総建設費約9兆円。「自主経営」の総仕上げとも言えるビッグプロジェクトだ。「人口7000万人の巨大な都市圏が形成される」「東海道新幹線と2本立てとなることで災害に強い大動脈ができる」など期待も破格だ。

 JR各社が不採算路線の整理や事業多角化を迫られる中、JR東海はドル箱の東海道新幹線で高い利益率を誇る。16年3月期の運賃収入(単体)1兆2947億円のうち、9割超は新幹線で稼いだ。

 その力をテコにして07年、リニアを全額自己負担で整備する方針を打ち上げた。

 「国のお金を待っていたら100年たっても新幹線は昔のまま。異論はなかった」。山田佳臣会長は当時の決断を振り返る。国の支援を受けず「政治介入」を排除することで、複雑な利害が絡むルート選定を主導してきたが、近年こうした方針に変化もある。

 「大阪延伸(当初45年の予定)が名古屋より18年も遅れれば、発展から取り残される」。関西の政財界の懸念も踏まえ、安倍晋三首相は昨年6月、延伸を前倒しすると表明。総額3兆円を低利融資する代わりに、大阪延伸を最大8年前倒しする約束をJR東海から取り付けた。

 自民党関係者は「昨年の伊勢志摩サミットで、首相はインフラ投資の重要性を宣言した。その目玉がリニア」と解説する。低利融資の関連法案では「経営の自主性」に配慮するとの付帯決議も採択した。成長戦略の推進をアピールしたい政府と、金利負担軽減という「実」を取ったJR東海。葛西敬之名誉会長は「ウィンウィンのシナリオ」と語り、今後もしたたかに事業を進める自信をみせる。

 だが、リニア整備では名古屋駅のほか、深さ最大約1400メートルの南アルプストンネルなど難工事が控える。コストが膨らみ、工期が長引くリスクがつきまとう。関西では大阪延伸の一層の前倒しを求める声があり、工期の遅れはJR東海への批判につながる。

 さらに国の支援を受け入れたことは微妙な影響を及ぼす可能性がある。延伸前倒しに関わった自民党関係者は「国あっての事業」とけん制し、JR東海幹部は「名古屋以西ルートや駅の選定で政治の介入があるかもしれない」と漏らす。

 「夢の超特急」はJR東海、そして地域や社会をどう変えていくのか。トンネルの出口はまだ見えない。【林奈緒美】=つづく
1987年の発足後の歩み

92年 3月 東海道新幹線で「のぞみ」営業運転を開始

97年 4月 山梨リニア実験線で走行試験開始(2015年4月に世界最高速の時速603キロ)

   10月 東京証券取引所などで株式上場

00年 3月 名古屋駅ビルでジェイアール名古屋高島屋が開業

06年 4月 独立行政法人が保有するJR東海株が全て売却され、完全民営化

07年12月 リニア中央新幹線を全額自己負担で事業化する方針を発表

11年 5月 国がリニアの整備計画を決定

14年10月 国がリニアで東京・品川−名古屋間の工事実施計画を認可。その後、順次着工

16年 6月 安倍首相がリニアの大阪延伸を前倒しすると表明

   12月 名古屋駅でリニア駅の起工式

 ■ことば
JR東海

 1992年に「のぞみ」の営業運転を開始するなど、東海道新幹線の旅客増を重視。新型車両の投入を続け、87年の発足当初は2時間56分だった東京−新大阪の所要時間は2015年3月に2時間22分となった。16年3月期の売上高は1兆7384億円、営業利益は5786億円。同期の旅客輸送人員は新幹線1億6300万人、在来線4億100万人。新幹線利用は発足当初の1.6倍に拡大した。16年3月末の従業員数は1万8164人。


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