図書館本 良書

1998年から2016年までに朝日新聞に掲載されたトッド氏の語り
夢の時代の終わりは語り下ろし 2016年8月
新しい順に文章が置かれているので、逆に終わりから(1998年の語り)から読まれると
トッドの予測がどうなったかが良く分かります。
もちろん予測が外れた部分はトッドが率直に認めている。
そしてシャルリ・エブド襲撃事件(2015)でのフランス人の反応に落胆したトッド

備忘録メモ
エリートについての経験主義的な研究が不足していた、過大評価していた。
フランスの指導層が結局ユーロの失敗を認めて、自分たちが引きずり込んだ通貨の泥沼から、社会を引きだしてくれるだろうと思っていた。2016年
アメリカ:自由貿易にたいする意見を変えた中流層 45−54歳までの米国白人死亡率1999年から上昇 グローバリゼーゼンファティーグ(グローバル化疲れ)
エリートたちの責任の放棄
フランス指導者層、中間層に対する批判(シャルリとは誰か?で) 2016年
アラブ世界の基本的弱点、国家を建設する能力の弱さ 縁戚関係が国家より重い
脱イスラム化が進むなかでのシーア派とスンニ派の対立(宗教戦争ではない)
ニヒリズムが現在の中東を分析するときの中心的概念
時代遅れの預言者に。歴史上でかってなかった新しい事が沢山起こる(高齢化、経済的人間)
共同的展望(信仰)高齢化、教育革命、女性の地位向上
日本の本等の問題は人口動態
日本の非正規労働者は移民労働者がうける扱いと同じ、そして帰る祖国さえない。
2重国籍を認めるフランスが国籍剥奪問題を議論し始めた
多様性が崩れるフランス 混合結婚 寛大なフランス パリ5月革命を経験しているトッド 2016年1月
消費社会の退化(西側諸国) 移行期にある途上国(識字率向上、人口増加率減少) 発展段階の違う社会が共存 015年2月
米国の衰退は予想以上に進んでいる (2002年 「帝国以後」で覇権の終わりを示唆)
グローバル化(ヒト、モノ、カネが国境を自由に越える)
ユーロを救う唯一の道は欧州として保護主義をとること ユーロは憎しみの製造機 2011年12月
教育格差の広がりと民主主義の弱体化、平等という感覚の弱体化は繋がっている
自由貿易が経済危機の解決を阻んでいる 2011年1月
アメリカ金融帝国の崩壊
アメリカの過剰消費に支えられた日本、中国 アメリカの貿易赤字 8千億ドル
経済を引っ張るのは弁護士ではなく技術者
欧州、北米、極東に保護主義圏を。3つの保護主義圏を。2008年10月
日本に核武装を勧めたい(トッドは反軍主義者)
日ロ関係を強く ロシアは1905年の敗北を忘れていない 2006年10月
米国以外の同盟国を持つべき
世界秩序混乱の原因は米国 (資本の自国集中、軍事手段を常に機能)
米一極支配と国連の意味 2004年2月
2005年にはユーロは無くなっていると思う 1998年5月





グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)
エマニュエル トッド
文藝春秋
2014-06-20