図書館

個人的には被差別という問題に興味がありこれまでも色々と本は読んできたつもりです。

本書で特に興味を持ったのは大阪の橋下知事(市長)の出自に関するメディア報道の問題。
週刊朝日での佐野眞一氏の記事の他にも取材が不十分な記事が沢山あったという事実を本書で知りました。その記載からいかに部落問題の根が深いのかが分かります。

そして、希望というか夢の部分として大阪のある地域での取り組みが紹介されている(地名は実名で)。
昨今のヘイトスピーチも何とか自分との違いを主張したいがための愚かな行為であるが、まさに本書の被差別地域への差別の歴史も負の遺産として続いているのです。


備忘録メモ
同和対策費 2002年まで継続 33年間で約15兆円
賤民廃止令(解放令)から150年
上原善広氏(日本の路地を旅する 等の著作で有名)が対談の掲載を拒否


目次
第1章 被差別部落150年年史
第2章 メディアと出自―『週刊朝日』問題から見えてきたもの
第3章 映画「にくのひと」は、なぜ上映されなかったのか
第4章 被差別部落の未来(不安と葛藤―部落解放運動の勃興期、継承と挑戦―部落解放運動の転換期)

ふしぎな部落問題 (ちくま新書)
角岡 伸彦
筑摩書房
2016-06-06