南アルプスへの巨大トンネルが作られる山梨県早川町



民族文化映像研究所フィルム作品紹介】No.58

奈良田の焼畑

1986年/34分/早川町教育委員会委嘱

山梨県南巨摩郡早川町奈良田

ナレーター 糸博

 南アルプスの東側、早川渓谷の奥に奈良田(ならだ)はある。ここでは昭和20年代後半まで、焼畑が生活の基本であった。これは郷土の生活文化である焼畑を伝えようと、奈良田の人たちによって行われた復元の記録である。

 奈良田の焼畑は、前年の秋に草木を伐り倒して翌春に焼く「春焼き」と、夏に伐りひらき数日後に焼く「夏焼き」がある。春焼きでは1年目にアワ、2年目に大豆や小豆、3年目にアワを作り、夏焼きでは1年目にソバ、2年目にアワを作ることが多かった。

 奈良田では、標高約1500m以上では焼畑ができない。それ以下のところでも、陽あたりのよい南斜面の適地は限られる。適地を効率よく利用するために、共同で焼畑する15カ所の場所があり、15年に一度、順々に焼いていった。また、短期間に地力を回復させるために、作付け2年目にケヤマハンノキやヤシャブシ、カラマツを植える。

 正月11日、鍬入れ節句。柱に飾られていた松を屋敷内の畑に移し、餅、柿などを供え、鍬で土を起こして豊作を祈る。

 焼畑作業は、ヤブ伐りからはじまる。次に乾燥を早めるために木を細かく切るコヅクリ。火をつける前に草や枯葉を取り除いて防火線をきるホンギリ。カシラ(焼畑地の上辺)の風下から火は付けられ、徐々に下に火をつけおろすヒッチャリ焼きをし、ヨセカケ(土留め)をする。この後小屋を作る。小屋は片流れの屋根で、木の皮でおおった簡単なものであるが、ここに長期間泊まって作業が行われたという。

 夏は草取りや虫送りの行事をする。稔りの時期には、イノシシの害を防ぐためにカガシを立てる。イノシシや人間の毛をつけたカガシを燃やし、その異臭でイノシシを退散させる。そして収穫を迎える。

 旧暦10月10日、十日夜(とおかんや)。団子を神に供え豊作感謝し1年を終える。

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