図書館本

新聞に掲載される雑誌広告 あるいは通勤電車の中吊り広告

雑誌を買って読みはしないが、広告から無意識的に入ってくる情報。
それが知らずに正しい情報だとインプリントされる怖さ。

早川タダノリさんは原発関連の広告分析(原発ユートピア日本)や戦争広告(神国日本のトンデモ決戦生活―広告チラシや雑誌は戦争にどれだけ奉仕したか)の著作もある。

まさにプロパガンダあるいは洗脳という文脈から広告を解析しているのが本書。

1994年から2014年までの日刊全国紙に掲載された、
正論(産経新聞社)
諸君(文藝春秋)
SAPIO(小学館)の広告を詳細に分析している。

それにしても沢山の広告と過激あるいは刺激的なテキストが踊っている。
今現在も問題になっているヘイトスピーチの紙面版と言っても過言ではないと思う。
いくら言論の自由があっても、日本語が理解できる中国や韓国の方が目にしたらどう思うだろうか?
そして、常連ともいう書き手が同じようなネタを繰り返し書いていることが分かります。
歴史修正主義に陥らないように、広告に騙されないように、ですね。
まさに原発広告による安全神話や安心神話が導いた福島原発震災だったことを教訓に。

こんな目次です
テポドン恐怖から日本核武装論へ
脳内「大東亜戦争」はいまだ終わらず
歴史教科書問題の狂騒
戦争責任ロンダリング
「反日教育」のまぼろし
怨霊と生霊が集う「靖国神社」
「ジェンダーフリー」の虚像と「親学」の虚妄
ああ「愛国心」
「反日包囲網」妄想
憎悪の「中国」像
韓国ヘイトの歴史的変遷
「歴史戦争」の怒号
仮想サヨクとたたかう「理論武装」指南

憎悪の広告
能川 元一
合同出版
2015-09-14