競わない地方創生 人口急減の真実 久繁哲之介 時事通信社 2016
久繁さん(1962-)のこれまでの著作
商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ (ちくま新書) 2013
地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書) 2010
日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり 2008
と読ませていただいているので、当然、本書も期待して読み始めました。
恐ろしい数の付箋紙だらけになってしまいました。前著と比べても非常に内容の濃い、論理的でありデータをしっかり読み込んで、さらにご自身の実践と合わせた地域再生の実践書となっていると思います。
補助金依存、行政依存では絶対上手くいかないことが理解できるでしょう。そんな事を早く気付いて、アクションを起こすことが重要ですね。そして前著からもありますが、若者、バカ者、よそ者が日本の未来、世界の未来を作るのです。
そして「学習しない高給な公務員が地方を滅ぼす」なのです。
個人的には木下斉さんや久繁さんの様な方が地方行政や霞が関で自由に働ければ、地方も補助金を国から獲得できる公務員が出世するというおバカなシステムが崩壊して住民目線で地方は再生創生出来るのではないでしょうか。
いずれにしても、自学しない地方議員や公務員がいくら成功事例の地域を視察してもたんなる税金泥棒でしょうね。まずは本書を隅々まで読んでから視察して報告書を市民に公開してほしいですね。
備忘録メモ
都市間競争を煽る国 競争をやめたい首長
弱者は競争するな!
建前じゃなく、不都合な真実を前提に政策を創る
成功事例を真似るだけではだめ。成功例から失敗例へ 下條村
みんなで真似れば、みな衰退
子育て期間だけ住む町、村 進学時に人口流出
数字だけな増田レポート
徹底的に世話を焼く 出会いを用意するだけでは、結婚できない
地域おこし協力隊の問題点
人口減少対策と地方創生は、政策の質より人の質(公務員の質)
強者は後から真似しても勝てる 弱者は真似したら必ず負ける
パラレルキャリア(二つの仕事をこなす)と二地域居住
役所3悪
計画に金と時間を浪費 大きな事業が大好き 真似ばかり
商品が売れる3要素
価格、品質、感情
衰退期の再生(延命、先送り)より導入期の創生 役所の商店街再生施策が延命例
物語は真似できない もみじ饅頭販売戦略
地元の英雄の自慢話でなく「よそ者に地元が愛された物語」を語る
ポジショニング・マップ 商品の方向性、価値、価格
弱者の経営ノウハウ7項目
地域・企業の価値を市民・顧客と協働で発見、育成
強者が真似できない軸で一番は目指す
顧客層は時期・時間帯で変わる
顧客に認められる
顧客の声を聞く
表面化した1人の客の感動や苦情を大切に
目線は自分や上司ではなく、顧客・市民に
利用されない公共施設に合宿客を呼び込む 冬はハクチョウの宿
役所が主役の座と手柄を欲しがる協働は、失敗する
ボランティアというただ働きを強いる
自治体はコストとリスクを取っていない
コンセプトを根本的に変えるVS小手先を変える
何か頼むなら、先に相手へ貢献する 品川女子学院の協働の例
働き方を魅力的に再定義すれば地方に人材が集まる
アウトバウンド型な仕事を、インバウンド型に再定義する
学習しない高給な公務員が地方を滅ぼす
地方公務員年収 728万 ITエンジニア 412万 自学の雲泥の差
「地方消滅」でなく「地方“公務員の高収入”消滅」 沖縄では外部監査で半減せよと提言
自治体の綺麗事と挨拶さえできない「言行不一致」に呆れる市民 大牟田市
伝える文書でなく、伝わる文書を書く 目線を読者にあわせる 読書を深く「考える」
佐藤優、久繁氏 年間3780,3000冊読書、超速読、速読、熟読(5冊/月)
抽象的表現に逃げない書き手に
アウトバウンドな働き方
自分目線 保身目的に真面目 上司の指示で働く予算 マニュアル依存 一方的に伝える戦略 同業者の真似で競争
インバウンドの働き方
顧客(市民)目線 顧客と遊ぶ様に協働 自分で考える 自主的かつ創造的に、遊び心・情熱 双方向な協働を目的に「伝わる」情報 同業者を気にしない、競争しない
嫌われる覚悟の協働
顧客目線 「誰が なぜ どこで いつ あたたから」買うかを考える
問題解決の基本は現象の表面を視るのではなく、原因を考える
税金投入の空き家対策の無駄
予算が無いから出来ないが口癖な公務員
顧客に楽しんでいただく、顧客が主役となり自発的に楽しみ無償で働いてもらう 顧客にシェア・共有を促す
公務員・議員が理解できないインバウンドな働き方
指示待ち公務員から遊び心プレーヤー(実践者)へ
消極的な人口減少対策 子育て支援偏重
男性育児休暇率 スエーデンと比較する無理さ
男・女らしさ意識 日本最大 スエーデン最低
3つの理論のウソ
地方に仕事はない(仕事の東京一極集中)論のウソ
地方の若者は大都市への流出(人口の東京一極集中)論のウソ
東京の出生率は低いから、地方に移住させれば出生率は上がる論のウソ
ヤンキー経済
地元に籠る若者「ヤンキー」家族、仲間との繋がり重視
学歴志向の高い若者 大都市流出 出産、子育てより仕事やキャリアー重視
学歴がモノを言う大都市 ゆるい(薄い)コミュニティーを好む なんでも金で解決
権力格差指標と男・女らしさ指標の相関
権力格差意識が低い:上下関係が対等 親密な協働関係を築く
権力格差意識が高い:権力者(上司、お上)は権力弱者(部下、地方)に絶対服従を求める
男女格差レポートにみる日本の問題
意識改革するには行動を(強制的にでも)変えて習慣にする
IBMの例 役職名の呼称禁止 だれも「さん」付け 女の子呼ばわり禁止
意識改革―施策立案―数値目標
弱者(地方都市、地方自治体、中小企業、零細農家)は競争してはいけない。自由裁量と責任をセットで権限移譲された組織内の個人が遊び心を持って、顧客価値を創造すれば、競争しないで成長することが出来る。
目次
第1章 人口減少対策をビジネスの基本から導く
第2章 弱者(地方都市、中小企業)の経営は、強者とは正反対
第3章 弱者は競争するな。自分が1番になれる軸を創る
第4章 1番になる最良の方法は、協働という「働き方」
第5章 学習しない高給な公務員が、地方を滅ぼす
第6章 顧客価値は顧客目線な遊び心から創造される
第7章 現象でなく原因を考えると、人口急減の理由が分かる
久繁さん(1962-)のこれまでの著作
商店街再生の罠:売りたいモノから、顧客がしたいコトへ (ちくま新書) 2013
地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書) 2010
日本版スローシティ―地域固有の文化・風土を活かすまちづくり 2008
と読ませていただいているので、当然、本書も期待して読み始めました。
恐ろしい数の付箋紙だらけになってしまいました。前著と比べても非常に内容の濃い、論理的でありデータをしっかり読み込んで、さらにご自身の実践と合わせた地域再生の実践書となっていると思います。
補助金依存、行政依存では絶対上手くいかないことが理解できるでしょう。そんな事を早く気付いて、アクションを起こすことが重要ですね。そして前著からもありますが、若者、バカ者、よそ者が日本の未来、世界の未来を作るのです。
そして「学習しない高給な公務員が地方を滅ぼす」なのです。
個人的には木下斉さんや久繁さんの様な方が地方行政や霞が関で自由に働ければ、地方も補助金を国から獲得できる公務員が出世するというおバカなシステムが崩壊して住民目線で地方は再生創生出来るのではないでしょうか。
いずれにしても、自学しない地方議員や公務員がいくら成功事例の地域を視察してもたんなる税金泥棒でしょうね。まずは本書を隅々まで読んでから視察して報告書を市民に公開してほしいですね。
備忘録メモ
都市間競争を煽る国 競争をやめたい首長
弱者は競争するな!
建前じゃなく、不都合な真実を前提に政策を創る
成功事例を真似るだけではだめ。成功例から失敗例へ 下條村
みんなで真似れば、みな衰退
子育て期間だけ住む町、村 進学時に人口流出
数字だけな増田レポート
徹底的に世話を焼く 出会いを用意するだけでは、結婚できない
地域おこし協力隊の問題点
人口減少対策と地方創生は、政策の質より人の質(公務員の質)
強者は後から真似しても勝てる 弱者は真似したら必ず負ける
パラレルキャリア(二つの仕事をこなす)と二地域居住
役所3悪
計画に金と時間を浪費 大きな事業が大好き 真似ばかり
商品が売れる3要素
価格、品質、感情
衰退期の再生(延命、先送り)より導入期の創生 役所の商店街再生施策が延命例
物語は真似できない もみじ饅頭販売戦略
地元の英雄の自慢話でなく「よそ者に地元が愛された物語」を語る
ポジショニング・マップ 商品の方向性、価値、価格
弱者の経営ノウハウ7項目
地域・企業の価値を市民・顧客と協働で発見、育成
強者が真似できない軸で一番は目指す
顧客層は時期・時間帯で変わる
顧客に認められる
顧客の声を聞く
表面化した1人の客の感動や苦情を大切に
目線は自分や上司ではなく、顧客・市民に
利用されない公共施設に合宿客を呼び込む 冬はハクチョウの宿
役所が主役の座と手柄を欲しがる協働は、失敗する
ボランティアというただ働きを強いる
自治体はコストとリスクを取っていない
コンセプトを根本的に変えるVS小手先を変える
何か頼むなら、先に相手へ貢献する 品川女子学院の協働の例
働き方を魅力的に再定義すれば地方に人材が集まる
アウトバウンド型な仕事を、インバウンド型に再定義する
学習しない高給な公務員が地方を滅ぼす
地方公務員年収 728万 ITエンジニア 412万 自学の雲泥の差
「地方消滅」でなく「地方“公務員の高収入”消滅」 沖縄では外部監査で半減せよと提言
自治体の綺麗事と挨拶さえできない「言行不一致」に呆れる市民 大牟田市
伝える文書でなく、伝わる文書を書く 目線を読者にあわせる 読書を深く「考える」
佐藤優、久繁氏 年間3780,3000冊読書、超速読、速読、熟読(5冊/月)
抽象的表現に逃げない書き手に
アウトバウンドな働き方
自分目線 保身目的に真面目 上司の指示で働く予算 マニュアル依存 一方的に伝える戦略 同業者の真似で競争
インバウンドの働き方
顧客(市民)目線 顧客と遊ぶ様に協働 自分で考える 自主的かつ創造的に、遊び心・情熱 双方向な協働を目的に「伝わる」情報 同業者を気にしない、競争しない
嫌われる覚悟の協働
顧客目線 「誰が なぜ どこで いつ あたたから」買うかを考える
問題解決の基本は現象の表面を視るのではなく、原因を考える
税金投入の空き家対策の無駄
予算が無いから出来ないが口癖な公務員
顧客に楽しんでいただく、顧客が主役となり自発的に楽しみ無償で働いてもらう 顧客にシェア・共有を促す
公務員・議員が理解できないインバウンドな働き方
指示待ち公務員から遊び心プレーヤー(実践者)へ
消極的な人口減少対策 子育て支援偏重
男性育児休暇率 スエーデンと比較する無理さ
男・女らしさ意識 日本最大 スエーデン最低
3つの理論のウソ
地方に仕事はない(仕事の東京一極集中)論のウソ
地方の若者は大都市への流出(人口の東京一極集中)論のウソ
東京の出生率は低いから、地方に移住させれば出生率は上がる論のウソ
ヤンキー経済
地元に籠る若者「ヤンキー」家族、仲間との繋がり重視
学歴志向の高い若者 大都市流出 出産、子育てより仕事やキャリアー重視
学歴がモノを言う大都市 ゆるい(薄い)コミュニティーを好む なんでも金で解決
権力格差指標と男・女らしさ指標の相関
権力格差意識が低い:上下関係が対等 親密な協働関係を築く
権力格差意識が高い:権力者(上司、お上)は権力弱者(部下、地方)に絶対服従を求める
男女格差レポートにみる日本の問題
意識改革するには行動を(強制的にでも)変えて習慣にする
IBMの例 役職名の呼称禁止 だれも「さん」付け 女の子呼ばわり禁止
意識改革―施策立案―数値目標
弱者(地方都市、地方自治体、中小企業、零細農家)は競争してはいけない。自由裁量と責任をセットで権限移譲された組織内の個人が遊び心を持って、顧客価値を創造すれば、競争しないで成長することが出来る。
目次
第1章 人口減少対策をビジネスの基本から導く
第2章 弱者(地方都市、中小企業)の経営は、強者とは正反対
第3章 弱者は競争するな。自分が1番になれる軸を創る
第4章 1番になる最良の方法は、協働という「働き方」
第5章 学習しない高給な公務員が、地方を滅ぼす
第6章 顧客価値は顧客目線な遊び心から創造される
第7章 現象でなく原因を考えると、人口急減の理由が分かる