「消費増税 今のタイミングではない」ノーベル経済学者が首相に進言 | ハザードラボ
以前読んだ本
フリーフォール ジョセフ・E・スティングリッツ 徳間書店 2010
図書館本
アメリカの良心かな。急降下するアメリカ経済。
あるいは、権威と権力の争いなのだろうか。読んでいて、病んでいるアメリカ、そして経済という魔物が人の欲望によって大暴れし、巨大な格差として人々を分離していく社会が見えてきた。
2001年のノーベル経済学賞学者(1943−)が綴るアメリカの欲望社会と言ってもよいかもしれない。そしてグローバル経済と言う名のアメリカ市場原理主義を説明している。
備忘録的メモ
重要な政策は、個人の枠を超えた政治的、経済的な“力関係”−利害、観念、思想など―の結果であるというのが本書の見方である。
なぜ、ゆがんだインセンティブが与えられたか?コーポレイトガバナンスの問題。ではなぜ?危機の中身は過去の多くの例とあまりに似通っている(今回のサブプライム問題)
ではなぜ過ちを繰り返す? 責任転嫁(ウオール街の主張)
アメリカ型資本主義をアメリカ人は無条件に信じている。
グリーンスパンと、それに続くバーナキン議長に率いられるFRBは危機の発生を許してしまった。(打つ手が無かったと主張)著者は危機は防げたと主張
規制緩和派は規制による不利益は利益を凌駕すると主張しつづけた。そして規制と会計基準と税金をごまかし続けた。結局市場は「自律」出来なかった。
規制の失敗の歴史が続いている(規制緩和で得をした金融セクター)
オバマ大統領のその場しのぎの政策(金融セクターからの圧力、大金融セクターのみの救済)
景気刺激策の7つの条件。1.速やかに実行、2.実行性を担保する、3.国家の長期的問題の解決を促す、4.投資に重点を置く、5.公平を旨とする、6.危機を原因とする緊急事態に対処する、7.雇用問題を狙い撃ちにする
政府の宣伝用の失業率の真の失業率のかい離(仕事を探そうとする意思すら無くした人をカウントしない。パートタイムはカウントされない)
借金による消費というアメリカ経済は不動産バブルとともに崩れた。(さらに財産も失った)
高額所得者から低所得者への所得再配分(累進課税等)が正しいが、経済学者の一部は強く反対する(労働意欲と貯蓄意欲を損なうからと)
銀行に騙された多くの住宅所有者(サブプライムローン、変動金利型住宅ローン)
市場経済に任すのではなく、政府と銀行が競争するような形になれば、銀行は貧乏人から金を巻き上げるような事はなくなる。
大きくなりすぎた銀行という問題。(アメリカの銀行は不良資産で世界経済を汚染した)
インフレ誘導で中国がもつアメリカ国債(1.5兆ドル)の負債を減少可能?
FRBの不透明さ(議会承認を必要しない)
金融業界における株主不在の経営陣による経営陣のための経営(高額なインセンティブ)
透明性の欠如(リーマンブラザースのバランスシートの不正)2008年9月15日破綻
複雑性(ハイテク金融商品)が透明性を弱める
グラスステーガル法の廃止(銀行業務と証券業務が同時に可能になった)1999年
ウォール街というカジノ、デリバティブというギャンブル
アメリカの社会的流動性の低下(家を売っても新しい家の頭金にもならない。移動して新たな職に着く事ができない)
巨大銀行は2大政党の両方に献金を行っている(金融規制が出来ない)
IMFのていたらく(アメリカ拒否権、債権国の同窓会)
IMFと世界銀行の民主化が急務
経済学の改革(すべての経済学者がミルトン・フリードマンの弟子ではなかったが)
4つの主題 マクロ経済学、通貨政策、財政、イノベーション経済学
新しい社会にむけて(価値観(お金は重要でない)、生き方) 利他的であることの重要性(教授自らが親に言われたとの事)
以下記事
政府は16日、世界経済の現状について内外の有識者の意見を聞く第1回の「国際金融経済分析会合」を首相官邸で開催し、初日はノーベル経済学賞を受賞した米コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授を招いた。スティグリッツ氏は「消費増税」について、「今のタイミングではない」とする意見を述べた。
「国際金融経済分析会合」は、今年5月に開催されるG7サミットの議長国として、日本政府が世界経済・金融情勢について内外の有識者の見解を聞くために安倍晋三首相が発案した会議で、首相以下、麻生太郎副総理や菅義偉官房長官、石原伸晃経済再生担当相などの閣僚のほか、日本銀行の黒田東彦総裁が参加している。
16日午前中に開かれた第1回目の会合でスティグリッツ氏は、不透明感が高まる世界経済についての分析や見通しを話し、「総需要を高めるための国際協調や構造改革を進める必要性」を説いた。
さらに政府の支出を引き上げ、企業や個人の支出を増やす観点から、2017年4月に予定されている10%の消費増税について「今はそのタイミングではない」と述べて、「総需要を喚起するためには炭素税や相続税の引き上げを検討すべき」だとして消費増税に慎重な意見を示した。
分析会合はあす17日、米ハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授を招き、22日にはノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏を呼ぶ。
サミットのある5月まで5回程度の会合を予定しており、5月の大型連休に安倍首相が欧州訪問する際にも外遊先で現地の経済学者らを招いて開く見通しだ。
以前読んだ本
フリーフォール ジョセフ・E・スティングリッツ 徳間書店 2010
図書館本
アメリカの良心かな。急降下するアメリカ経済。
あるいは、権威と権力の争いなのだろうか。読んでいて、病んでいるアメリカ、そして経済という魔物が人の欲望によって大暴れし、巨大な格差として人々を分離していく社会が見えてきた。
2001年のノーベル経済学賞学者(1943−)が綴るアメリカの欲望社会と言ってもよいかもしれない。そしてグローバル経済と言う名のアメリカ市場原理主義を説明している。
備忘録的メモ
重要な政策は、個人の枠を超えた政治的、経済的な“力関係”−利害、観念、思想など―の結果であるというのが本書の見方である。
なぜ、ゆがんだインセンティブが与えられたか?コーポレイトガバナンスの問題。ではなぜ?危機の中身は過去の多くの例とあまりに似通っている(今回のサブプライム問題)
ではなぜ過ちを繰り返す? 責任転嫁(ウオール街の主張)
アメリカ型資本主義をアメリカ人は無条件に信じている。
グリーンスパンと、それに続くバーナキン議長に率いられるFRBは危機の発生を許してしまった。(打つ手が無かったと主張)著者は危機は防げたと主張
規制緩和派は規制による不利益は利益を凌駕すると主張しつづけた。そして規制と会計基準と税金をごまかし続けた。結局市場は「自律」出来なかった。
規制の失敗の歴史が続いている(規制緩和で得をした金融セクター)
オバマ大統領のその場しのぎの政策(金融セクターからの圧力、大金融セクターのみの救済)
景気刺激策の7つの条件。1.速やかに実行、2.実行性を担保する、3.国家の長期的問題の解決を促す、4.投資に重点を置く、5.公平を旨とする、6.危機を原因とする緊急事態に対処する、7.雇用問題を狙い撃ちにする
政府の宣伝用の失業率の真の失業率のかい離(仕事を探そうとする意思すら無くした人をカウントしない。パートタイムはカウントされない)
借金による消費というアメリカ経済は不動産バブルとともに崩れた。(さらに財産も失った)
高額所得者から低所得者への所得再配分(累進課税等)が正しいが、経済学者の一部は強く反対する(労働意欲と貯蓄意欲を損なうからと)
銀行に騙された多くの住宅所有者(サブプライムローン、変動金利型住宅ローン)
市場経済に任すのではなく、政府と銀行が競争するような形になれば、銀行は貧乏人から金を巻き上げるような事はなくなる。
大きくなりすぎた銀行という問題。(アメリカの銀行は不良資産で世界経済を汚染した)
インフレ誘導で中国がもつアメリカ国債(1.5兆ドル)の負債を減少可能?
FRBの不透明さ(議会承認を必要しない)
金融業界における株主不在の経営陣による経営陣のための経営(高額なインセンティブ)
透明性の欠如(リーマンブラザースのバランスシートの不正)2008年9月15日破綻
複雑性(ハイテク金融商品)が透明性を弱める
グラスステーガル法の廃止(銀行業務と証券業務が同時に可能になった)1999年
ウォール街というカジノ、デリバティブというギャンブル
アメリカの社会的流動性の低下(家を売っても新しい家の頭金にもならない。移動して新たな職に着く事ができない)
巨大銀行は2大政党の両方に献金を行っている(金融規制が出来ない)
IMFのていたらく(アメリカ拒否権、債権国の同窓会)
IMFと世界銀行の民主化が急務
経済学の改革(すべての経済学者がミルトン・フリードマンの弟子ではなかったが)
4つの主題 マクロ経済学、通貨政策、財政、イノベーション経済学
新しい社会にむけて(価値観(お金は重要でない)、生き方) 利他的であることの重要性(教授自らが親に言われたとの事)