図書館本 かなり凄いです。読んで損はないと思う。
訳者が違うと文脈から受ける印象もかなり違いますね。
これまで、石崎晴己さんの翻訳でのトッドを多く読んできたので、今回のインタビュー記事での訳ではかなりヤンチャな感じがします(こちらが本当のトッドかもしれませんが、TV等での話しぶりは非常に穏やかな方だと思います)。
本書は2011年から2014年(フランス大統領がサルコジ(2007年5月- 2012年5月、オランド(2012年5月〜)時代)におけるインタビューのテキスト
フランスとドイツ、ロシアとの関係性、さらにドイツと日本、アメリカの関係性
ソ連崩壊、アメリカ衰退、アラブの春、ユーロ崩壊(生まれた時から死んでいた)の危機等々を予言してきたトッドが見る世界が興味深いです。
そしてユーロ圏とその破壊的ロジックを打ち砕くことができそうな唯一の国はフランスだと指摘
備忘録メモ(付箋紙だらけになった新書でもあります)
帝国以後のドイツ訳20万部
ヨーロッパ支配権を手にしたドイツ
オランドはドイツ副首相
ウクライナ問題はロシアでなくドイツ
ドイツ覇権よりアメリカ覇権の方がマシ
工業生産高の変遷(1928・2011)アメリカ、ドイツの衰退、日本の進展
ドイツ専用デモクラシー
ドイツの権威主義的文化 ドイツ指導者の精神的不安定性
フランスの自主的隷属
ドイツのせいでロシア接近を阻まれた日本
ロシアの再生とウクライナの崩壊予測
乳児死亡率の低下と出生率上昇のロシア
ロシアにおける大学女子進学率 男100人に対して、スエーデン 140人、ロシア、130人、フランス115人、ドイツ83人
ロシアの自殺率、殺人率の低下
ロシアのKGBやFSB(ロシア連邦保安庁)はフランスのENA(国立行政学院)
自分たちの道徳観を地球全体に押し付けようとするアグレッシブな西洋人の方がどうしもなく少数派であり、量的には父系制文化のほうが支配的
アメリカの外交 日本とドイツをコントロールすることで成り立ってきた(過去形)
今日の西洋人は自分たちが何者であるか分からなくて四苦八苦
ドイツ人たちは平和主義と経済的膨張主義の間で悩む
アメリカ人たちは帝国路線とネイション路線の間で揺れている
フランス人たちはこの混迷の中でどこに身をおけばよいか本当にわからない
ロシア人たちはネイションへの帰属に正真正銘の誇りをもっているが、コントロールの利かない好戦的妄想に突然陥るような状態にはない
オランドの3つの失敗
税率75%を強行できなかった
労働市場改革でオランドはサルコジよりも右に行ってしまった
銀行システムへの改革が骨抜き
ユーロという金銭が宗教になった
ユーロとゴールドマン・サックスの繋がり
オランドはマルク圏の地方代表
真の権力中枢はメルケルでなくドイツ経済界
上から ドイツ経営者団体 メルケル ヨーロッパ保護領!管理担当、 ドイツ経営者団体直下に欧州中央銀行 その下にフランス諸銀行 その下にフランス経済財務省の会計検査官、広報 一番下にオランド 特定の役割は「無」
ヨーロッパとはドイツ覇権の下で定期的に自殺する大陸?
ドイツの特異性 部品製造部門をユーロ圏の外の東ヨーロッパに移転して安い労働力確保
ドイツと日本の類似性 家族構造 経済 違い: 他人を傷つけないようにする、遠慮する ドイツ文化はむき出しの率直さを価値付ける。
フランス出生率 2人で女性は仕事と育児両立可能 ドイツ、日本は低下 女性の地位が低い
日本(東北震災を歩いて)、伝統的社会文化の中のさまざまなグループ、共同体、会社等、水平の連帯関係が事態に対応できなくなった政治制度に代わって地域の再建・復興を支える
ドイツ文化の2つの危険性 メンタルな硬直性 リーダーの心理的不安 誰一人として誰がそう決めたのか知らないうちに戦争に突入してしまった日本軍も
ドイツ人とフランス人の違い:高速道路でパッシングで違反取締を教えるフランス人、誰かが駐車違反していると近所の人が警察を呼ぶドイツ
人口の1%を占める最富裕層が銀行システムと金融活動に強く結びつく
1%対99%の格差に奉仕する国家
格差拡大は倫理でなく経済の問題 ピケティ学派の功績
フランス人は付加価値税と直接税という形で2500億ユーロを持っていかれ、そのうちから500億近くが利子として、すでに過剰にお金を持っている人々の手に渡る。そのうえその人々の3分の2は外国人
ユーロ圏の危機を創り出したのは、借り手の呑気さではなく(ギリシャ)、貸し手の攻撃的態度(ヨーロッパ中央銀行 ゴールドマン・サックス)
1930年代の対立再び?
左翼こそ保護主義を主張せよ
サルコジのポピュリズム ヒエラルキーの中で位置取り 弱者に強腰、強者には弱腰
トッドは10年以上放逐されている? 欧州レベルでの保護主義を唱えたから
1929世界大恐慌の後で、ドイツはヒトラー、イギリスは無力な保守政治家、アメリカはルーズベルト、フランスは人民戦線
支配システムの3つの極 ブリュッセル(ヨーロッパ委員会)、フランクフルト、ベルリン
トッドがフランス大統領だったら
欧州の保護主義的再編成についてドイツ相手にタフな対話を始める
主要銀行を国有化
政府債務のデフォルト準備
国民教育省統括下の学校制度に新たに10万のポストを作る
エリートの責任放棄
ドイツ メルケル首相の目は中国に向いている。就任以来ほぼ毎年中国訪問 日本へは2015年3月だけ
訳者が違うと文脈から受ける印象もかなり違いますね。
これまで、石崎晴己さんの翻訳でのトッドを多く読んできたので、今回のインタビュー記事での訳ではかなりヤンチャな感じがします(こちらが本当のトッドかもしれませんが、TV等での話しぶりは非常に穏やかな方だと思います)。
本書は2011年から2014年(フランス大統領がサルコジ(2007年5月- 2012年5月、オランド(2012年5月〜)時代)におけるインタビューのテキスト
フランスとドイツ、ロシアとの関係性、さらにドイツと日本、アメリカの関係性
ソ連崩壊、アメリカ衰退、アラブの春、ユーロ崩壊(生まれた時から死んでいた)の危機等々を予言してきたトッドが見る世界が興味深いです。
そしてユーロ圏とその破壊的ロジックを打ち砕くことができそうな唯一の国はフランスだと指摘
備忘録メモ(付箋紙だらけになった新書でもあります)
帝国以後のドイツ訳20万部
ヨーロッパ支配権を手にしたドイツ
オランドはドイツ副首相
ウクライナ問題はロシアでなくドイツ
ドイツ覇権よりアメリカ覇権の方がマシ
工業生産高の変遷(1928・2011)アメリカ、ドイツの衰退、日本の進展
ドイツ専用デモクラシー
ドイツの権威主義的文化 ドイツ指導者の精神的不安定性
フランスの自主的隷属
ドイツのせいでロシア接近を阻まれた日本
ロシアの再生とウクライナの崩壊予測
乳児死亡率の低下と出生率上昇のロシア
ロシアにおける大学女子進学率 男100人に対して、スエーデン 140人、ロシア、130人、フランス115人、ドイツ83人
ロシアの自殺率、殺人率の低下
ロシアのKGBやFSB(ロシア連邦保安庁)はフランスのENA(国立行政学院)
自分たちの道徳観を地球全体に押し付けようとするアグレッシブな西洋人の方がどうしもなく少数派であり、量的には父系制文化のほうが支配的
アメリカの外交 日本とドイツをコントロールすることで成り立ってきた(過去形)
今日の西洋人は自分たちが何者であるか分からなくて四苦八苦
ドイツ人たちは平和主義と経済的膨張主義の間で悩む
アメリカ人たちは帝国路線とネイション路線の間で揺れている
フランス人たちはこの混迷の中でどこに身をおけばよいか本当にわからない
ロシア人たちはネイションへの帰属に正真正銘の誇りをもっているが、コントロールの利かない好戦的妄想に突然陥るような状態にはない
オランドの3つの失敗
税率75%を強行できなかった
労働市場改革でオランドはサルコジよりも右に行ってしまった
銀行システムへの改革が骨抜き
ユーロという金銭が宗教になった
ユーロとゴールドマン・サックスの繋がり
オランドはマルク圏の地方代表
真の権力中枢はメルケルでなくドイツ経済界
上から ドイツ経営者団体 メルケル ヨーロッパ保護領!管理担当、 ドイツ経営者団体直下に欧州中央銀行 その下にフランス諸銀行 その下にフランス経済財務省の会計検査官、広報 一番下にオランド 特定の役割は「無」
ヨーロッパとはドイツ覇権の下で定期的に自殺する大陸?
ドイツの特異性 部品製造部門をユーロ圏の外の東ヨーロッパに移転して安い労働力確保
ドイツと日本の類似性 家族構造 経済 違い: 他人を傷つけないようにする、遠慮する ドイツ文化はむき出しの率直さを価値付ける。
フランス出生率 2人で女性は仕事と育児両立可能 ドイツ、日本は低下 女性の地位が低い
日本(東北震災を歩いて)、伝統的社会文化の中のさまざまなグループ、共同体、会社等、水平の連帯関係が事態に対応できなくなった政治制度に代わって地域の再建・復興を支える
ドイツ文化の2つの危険性 メンタルな硬直性 リーダーの心理的不安 誰一人として誰がそう決めたのか知らないうちに戦争に突入してしまった日本軍も
ドイツ人とフランス人の違い:高速道路でパッシングで違反取締を教えるフランス人、誰かが駐車違反していると近所の人が警察を呼ぶドイツ
人口の1%を占める最富裕層が銀行システムと金融活動に強く結びつく
1%対99%の格差に奉仕する国家
格差拡大は倫理でなく経済の問題 ピケティ学派の功績
フランス人は付加価値税と直接税という形で2500億ユーロを持っていかれ、そのうちから500億近くが利子として、すでに過剰にお金を持っている人々の手に渡る。そのうえその人々の3分の2は外国人
ユーロ圏の危機を創り出したのは、借り手の呑気さではなく(ギリシャ)、貸し手の攻撃的態度(ヨーロッパ中央銀行 ゴールドマン・サックス)
1930年代の対立再び?
左翼こそ保護主義を主張せよ
サルコジのポピュリズム ヒエラルキーの中で位置取り 弱者に強腰、強者には弱腰
トッドは10年以上放逐されている? 欧州レベルでの保護主義を唱えたから
1929世界大恐慌の後で、ドイツはヒトラー、イギリスは無力な保守政治家、アメリカはルーズベルト、フランスは人民戦線
支配システムの3つの極 ブリュッセル(ヨーロッパ委員会)、フランクフルト、ベルリン
トッドがフランス大統領だったら
欧州の保護主義的再編成についてドイツ相手にタフな対話を始める
主要銀行を国有化
政府債務のデフォルト準備
国民教育省統括下の学校制度に新たに10万のポストを作る
エリートの責任放棄
ドイツ メルケル首相の目は中国に向いている。就任以来ほぼ毎年中国訪問 日本へは2015年3月だけ