図書館本

農村再生 小田切徳美 岩波ブックレット 2009 は読了している。

いわゆる増田レポートの地方消滅に対する反論の様な本だろうか。


増田レポートの問題点は色んな所で指摘されているけど、統計としてはそれなりの意味があると考えている。
また、都市地域での地域崩壊(超高齢化等)も示唆している点で評価出来るのではないだろうか。

いずれにしても、長年過疎化等に真剣に取り組んで来た地域はきっと「何をいまさら?」と言っているようにおもう。
本書では成功事例が羅列してあるように思えるが、ではどれほどの無策な失敗例があるのだろうか?
すでに廃村になった所など、本書の成功例の数どころではないだろう。

単なる補助金ででのその場限りの施策で翻弄された地域が多くある。
まさにハコモノによるインフラ整備や無駄な公共工事での雇用対策等だ。

人口減少対策は移民対策が導入されない限り、他の地域からの人口の奪い合い、特に若年層の奪い合いになるのは目に見えている。

筆者も指摘するコンパクトシティー化が解決策とは思わないが、ムダに税金を垂れ流しての地域温存もまた無策に思える。

現在NHKで放映されている朝連続テレビ小説「まれ」の様な共同体(輪島)の活性化を夢にしているのだろうか。

結局は若者、バカ者、よそ者が地域を活性化するのではないだろうか? 高度経済成長やバブルの偶然の成功体験をもった中年、老年に人々の考えが日本を潰すのではないのだろうか?

シルバー資本主義、シルバー民主主義が日本を滅ぼすのではないかと思わざるを得ない。


備忘録メモ
市町村消滅=農村たたみ論 制度リセット論
三つの空洞化 人、土地、村
集落空洞化の3段階 誇りの空洞化
経済界と霞が関の実質的な支援=増田レポート
リゾート開発と全総 地域活性化の失敗
ネガティブワード 耕作放棄地、シャッター通り、医療崩壊 買い物難民
上からの補助金、交付金 
田園回帰=少子化解決??

農山村は消滅しない (岩波新書)
小田切 徳美
岩波書店
2014-12-20