図書館本 再読 前回のメモはこちら
違う時代を生きていれば湯川さん、朝永さんを越えていたかもしれないと言われたヒトですよね。

山本氏(1941-)が原発ファシズムの歴史を物理学者として科学史と併せて分かりやすく説明している。

備忘録メモ
近代科学は、おのれの力を過信するとともに、自然にたいする畏怖の念を忘れさっていった。
科学技術には「人間に許された限界」があること
国家主導科学

最後に氏は書く
「日本人は、ヒロシマ、ナガサキで被曝しただけではない。今後日本は、フクシマの事故でもってアメリカとフランスについで太平洋を放射性物質で汚染した3番目の国として、世界から語られることになるであろう。この国はまた、大気圏で原爆実験をやったアメリカやかってのソ連とならんで、大気中に放射性物質を大量に放出した国の仲間入りしてしまったのである。こうなった以上は、世界中がフクシマの教訓を共有するべく、事故の経過と責任を包み隠さず明らかにし、そのうえで、率先して脱原発社会、脱原爆社会を宣言し、そのモデルを世界に示すべきであろう。




目次
はじめに

1 日本における原発開発の深層底流
1・1 原子力平和利用の虚妄
1・2 学者サイドの反応
1・3 その後のこと

2 技術と労働の面から見て
2・1 原子力発電の未熟について
2・2 原子力発電の隘路
2・3 原発稼働の実態
2・4 原発の事故について
2・5 基本的な問題

3 科学技術幻想とその破綻
3・1 一六世紀文化革命
3・2 科学技術の出現
3・3 科学技術幻想の肥大化とその行く末
3・4 国家主導科学の誕生
3・5 原発ファシズム


あとがき