<南アルプス・エコパーク>現状と課題/下 巨大開発、次々に 自然と人間活動の調和 /山梨(毎日新聞) - goo ニュース


銭だけの様にしか思えませんが。早川町の町長さん!!

バブルの再現だけを望んでいるんでしょうね。

不便だろうが、アクセス時間がかかろうが、美しい自然に人間は引き寄せられるのですよ。
そんな事すら分からない首長が長いこと権力の座にいる日本社会が問題なんでしょうね。

銭儲けしか考えない連中が早く居なくなりますように!



2014年6月15日(日)11:52

 ◇「登録は観光客誘致ではない」

 「自然環境を守りながら便利さを求めることは相反しない」

 山梨、長野、静岡の3県にまたがる「南アルプス」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)のエコパークに登録されることが決まった12日未明。早川町の辻一幸町長
は記者会見で強調した。

 自然と人間活動の「調和」をうたうエコパーク。雄大な自然を誇る南アルプスでは今まさに、巨大開発が次々と進行しようとしている。

 2027年に東京−名古屋間で開通予定のリニア中央新幹線。南アルプスの直下をトンネルで貫く計画だ。周辺では開通まで10年以上工事が続くことになる。さらに県は今年2月、トンネル工事の残土処理とセットにする形で早川町と南アルプス市を結ぶ「早川−芦安連絡道路」(総延長約5キロ)を今年度に着工する方針を表明した。

 リニア新幹線を巡って環境省が今月5日に公表したJR東海の環境影響評価書に対する意見書。事業規模の大きさから「影響を最大限減らしても相当な環境負荷が生じる」と指摘。南アルプスのトンネルは多くの水系を横切るため「地下水位の低下のほか、河川流量の減少や枯渇を招き、生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高い」とした。

 エコパークの理念は開発自体を否定していない。ただ、県総合理工学研究機構の北原正彦・特別研究員(58)は「南アルプスはライチョウをはじめ氷河期から分布する固有種の宝庫。生態系への配慮を最大限行ってほしい」と話す。

 登録決定の際、南アルプス市役所には中込博文市長をはじめ、県内の関係4市町長が顔をそろえた。ただ、「エコパークの理念を住民に周知したい」と語るものの、具体的な施策展開に関する発言は乏しかった。

 南アルプスの希少種クモマツマキチョウは、長野では採取禁止なので山梨に採取に来るなど3県で規制の足並みがそろっていない例もある。北原研究員は「希少種保護へ地域間で対応策を進めてほしい」と訴える。

 南アルプス市の施設「芦安山岳館」館長の塩沢久仙(ひさのり)さん(71)は「広河原山荘」など山小屋の管理人を長年務め、南アルプスの自然を見つめ続けてきた。エコパークの自然と人間活動の調和という理念を評価したうえで「その理念を理解したうえで訪れることが大切で、登録を観光客誘致の目的にしてはいけない」と警鐘を鳴らす。「登録は自然の有りようを考えるスタート。100年先を見据えたビジョンが必要だ」と訴える。【屋代尚則】