図書館本

農業関連の本を読んでいると必ず問題となるのが農協と農政(国の政策としての)

本書は専業農家で頑張る農家の応援団の岡本氏(1961−)が経験してきた農業における種々な問題点を綴っている。

結論から言えば、専門家も指摘しているように、農政が農民のための政策でなく、農協は農民のための農協ではなく既得権益として組織を守るための団体化していることがわかる。

山下一仁氏(農水官僚)が書かれた農協の大罪 (宝島社新書)と内容的には同じであり、岡本氏は現場でのリアリティが現実を補完している。

備忘録メモ
農協の金融事業の問題点(農林中金、経済連) 農業以外の投資 中抜き組織
農協職員の資質
農業振興指導という名の補助金消化
兼業農家が専業農家の経営を圧迫する場合がある(低金利補助金で大型農具、公務員の休日農業)
農業は誰でも就業出来るような安易な職業ではない
ジャンボタニシとサポニン、化学農薬
農業生産しない農地なら高い固定資産税を取るべき(遊休農地が増える理由のひとつが安い固定資産税)
補助金で区画整理、農地転用、ショッピングセンターという構図もある
ウルグアイラウンド対策事業でも農地整備、しかし遊休地や耕作放棄 (山梨ではオートキャンプ場を作っていたな)
価格保証で思考停止 消費者の何を求めているか無視、海外での日本果物や野菜の高評価
輸入阻止こと日本の農業を守る唯一の手段という農協の陰謀
農協からの借入負債で離農や自殺 農協は衰えない

障害者の方が可能な農業の提案 NPO法人「気分爽快」
農家の嫁が報われる仕組みが必要(夫に先立たれ、義理の親が死んでしまうと、夫の兄弟が相続を主張)





農協の大罪 (宝島社新書)
山下一仁
宝島社
2009-01-10