中日新聞:リニア建設に不満と思惑 開業の恩恵ない静岡県:静岡(CHUNICHI Web)
環境より銭な方が多すぎですね。
静岡県の場合にはリニアはなんのメリットも無く、自然破壊やら広域水枯れが織り込まれているのです。
JR東海というブラック企業の遣り口を他県の方も御承知おきいただければ幸いです。
以下記事
JR東海が東京−名古屋間(二百八十六キロ)で二〇二七年の開業を目指すリニア中央新幹線。通過する七都県で唯一、駅が設置されない静岡県では直接の開業効果がない上、県民生活に直結する河川の流量減やトンネル工事に伴う残土処理など、環境への悪影響の心配から、不満の声が高まっている。県内での新幹線新駅設置の思惑も見え隠れし、県内を通るわずか「一〇・七キロ」は、リニア開通へ向けた思わぬ“火種”になっている。
◆環境への悪影響懸念
「ほっておくとバルカン問題みたいに別のところに波及する可能性がある。きっちり対応してほしい」
一月二十四日、東京・衆院第一議員会館の一室。日本維新の会の鈴木望衆院議員(比例東海)は、第一次世界大戦を引き起こし「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれたバルカン半島を引き合いに、国土交通省の担当者にくぎを刺した。
同席した静岡市議は、自然の保全と利用の調和を図るエコパークへの南アルプスの登録に影響すると不安を訴えた。工事で流量が毎秒二トン減るとの予測がある大井川流域の島田、牧之原市の市議は住民生活への悪影響を懸念した。同席者の一人は、関係市町議会への説明が不十分として「JR東海は静岡をばかにしている」と語気を強めた。
◆新幹線新駅「実現の余地」
トンネル工事の残土置き場はエコパークの候補地内に設けられる予定で、処理には地元静岡市への届け出が必要。JR東海としても地元の理解は欠かせない。
リニアをめぐっては、静岡空港への新幹線新駅設置の思惑も絡む。県内を素通りするのぞみの機能がリニアに移り、東海道新幹線のダイヤに余裕ができれば、県の悲願の新駅設置も望めると期待を膨らませる。
「不可能」とするJR東海に対し、川勝平太知事は親密関係にある同社の葛西敬之会長は理解していると自信を見せ、「リニア開通時には新駅ができている」と公言。東京五輪開催に伴う航空需要の増加を視野に、太田昭宏国土交通相にも新駅設置への協力を仰いだ。空港を国が定める広域防災拠点にし、新駅を災害時の物資輸送などに活用できるとも訴える。県内からは、リニア開業後のひかり増便などの利便性向上を求める声も上がる。
知事はリニア建設に対して三月下旬までに、静岡市の意見も踏まえた県の意見書をJR東海に提出する。一方、同社は、工法などの修正はあっても事業そのものやルートの変更は「あり得ない」という姿勢だ。知事も昨年十二月の記者会見で「(リニア建設を)空港新駅の駆け引きには使わない」と明言はしている。
ただ、県議の一人は推測する。「知事は政治家だ。中間駅のない静岡がリニアの環境負荷だけを負わされ、『はいどうぞ』となるわけがない。何か考えをめぐらせているはずだ」
(唐沢裕亮)