リニア新幹線、反対論への反論
読んでみるのも良いでしょう。
あまりにお粗末なリニア反対論、あるいはリニア凍結論への反対論。
橋山氏の本質的な論点は、事業自体が成り立たない(採算が合わないだろう)と言う点なんですよ。
コンコルドの失敗は開発そのものの失敗と書いていますが、リニア自体と同じでしょう。
技術的には可能、それが導入可能かは別問題。
さらに、橋山さんは書いてないけど自然環境破壊が半端じゃないこと。
読んでいて、この程度で反論と書けるのがある意味凄いと思ったよ。
「角本良平 東海道新幹線」
という1冊があります。
昭和39年、東海道新幹線が開業する半年前に、その開発に当たった方が自ら著者となって発行されたものです。
「無用の長物」と激しく批判されながら、批判を覚悟の上でもバイパスを造らねばならなかった、東海道本線の輸送力限界という事情。
それを解決するために様々な案を検討比較(モノレール案もあったそうです)してきた経緯。
新幹線はけっしてまっさらな新技術ではなく、国内外を問わず培われてきた過去数十年分の技術開発の結晶であること。
ルート選定にあたってはけっして無理をしなかった。
という、東海道新幹線建設時の慎重な姿勢が伝わってきます。ぜひ読んでいただきたいと思います。
同書にはありませんが、完成後、東海道新幹線の東京駅ホームには次のような銘板が掲げられました。
「この鉄道は日本国民の叡智と努力によって完成された」
この言葉の意味は重いと思います。リニアはこの重みを背負っているのでしょうか?