図書館本
再読

水口氏(1941-、東京海洋大名誉教授)、
1章は3.11原発震災後の書き下ろし (量的には少ない)
2章は2006年5月
3章は1991年12月
調査報告は1980年10月とある。

若干読みにくい文章である。

原発があれば必ず放射能を海や大気に放出していること。(これはフランスでのグリーンピースの
決死の海中での調査でも明らか)
基準値以下だったら大丈夫という詭弁
風評被害(実害も?))を恐れて漁業組合が原発完成後には積極的に研究調査に参加出来ないジレンマ。

読んで感じたのは専門家と称される人々が、放射能は自然界に存在するんだ、だから僅かな放射能が
自然界に出ても問題は無いんだというまったく論理的でも科学的でもない安全神話を垂れ流してきた。

そして、今(2013年8月参議院選挙が終わった後に発表を始めた大規模な福一の放射能漏れによる海洋汚染)まさに母なる海を日々汚し続けている原発。
そして、国内の原発を再稼働させようとする原子力ムラ、さらには原発を海外に売り込もうとする国家。

安全、安心の前にあるはずの信頼すら無くしている日本。
未だに炉心に近づけない技術立国日本。
自然も動物達も、食べ物もそして原発を作り出した人間をも内部から、外部から汚染続けている。

目次
第1章 海へ放出された福島第一原発の放射能
 1 海のチェルノブイリ
 2 海への影響について知っておくべきこと

第2章 放射能がクラゲとやってくる
 1 まず、再処理工場とはどんなものか説明しましょう
 2 再処理工場は、放射能を空気中や海に捨てるのです
 3 放射能は少ないと言っていますが……ゴマカシです
 4 再処理工場があるイギリスで暮らした家族の話をしましょう
 5 イギリスやノルウェーの海の放射能汚染の話をします
 6 再処理工場は、放流管から海へ放射能を捨てるのです
 7 これが、青森・岩手・宮城の海における放射能の流れです
 8 風評被害が心配です
 9 二人の方の新聞への投稿を考えてみましょう
 10 「海に放射能を捨てないでください」と言うことが大事です
 おわりに

第3章 これからどうなる海と大地
 福島県のホッキガイからコバルト60が検出
 みんながともに、どう食べ続けていくか
 原発現地の人びとの厳しい選択
 放射能測定をどのように公表するか
 チェルノブイリ事故と輸入食品
 原発が海と漁業に及ぼす影響
 原発から出る放射能のゴミ捨て場
 きちんと対応すれば、風評被害を恐れることはない
 原発抜きの地域振興を

調査報告 福島第一原発周辺海洋生物の放射能汚染──放射能汚染調査グループ(福島・東京)
 調査結果とそれのもつ意味
 測定された数値と住民の生活
 放射能汚染に対する漁業協同組合と原発設置者の対応