これまで(特に1980年代以降)沢山のリニア推進・賞賛本が出版されてきた。
そして、橋山禮治郎先生(本書にも執筆)が2011年に岩波書店から「必要か、リニア新幹線」を世に出し、リニア新幹線構想の不合理さを論理的に説明した。
また鉄道ジャーナリストの中にも整備新幹線やリニア新幹線が住民の必要性ではなく新幹線工事やリニア工事を欲しい一部の人達の願望であると指摘した。
現在JR東海はリニア新幹線工事が想定される地域での説明会等を実施しているが、住民等への情報開示は不十分であり、特に安全性、自然景観、自然環境、電磁波問題、また残土問題等に誠意ある回答を行っていない。
本書は多くの市民・住民が疑問あるいは不安に思う事に関して答えるだけでなく、速さを追求する技術や科学そのものへの疑問や人間の幸福感といった哲学にも触れている。
急激な人口減少が確実であり、右上がりの経済成長が望めない中で持続可能な社会を作らざるを得ない日本で果たして大型公共工事(防災・減災の名を借りた強靭化計画)やリニア新幹線構想が必要なのかを追求している。
ちなみに1980年代に書かれたリニア本でのリニアの経済効果や地域発展効果がいかにいい加減で全て予測が外れ(経済予測した銀行シンクタンクすら破綻)ているかを是非知っていただきたい。
格安航空会社(LCC)や高速バス網等は1980年代の本にはまったく触れられていないし、人口減少や経済状況予測もまったく的を得ていなかったのである。
1980年代からのリニア本はこちらに読んだものだけをリストしておりますのでご興味ある方はどうぞ。
目次
はじめに──知られざるリニアの実体── 川村晃生
リニアの経済性
リニアと環境破壊
電磁波、地震、事故
経済効果はあるのか
第1章 リニア新幹線に未来はあるか? 梅原淳
東海道新幹線のバイパスとしてのリニア中央新幹線
リニアモーターカーの仕組み
難航必至、未知の大深度トンネル工事
JR東海は重い財政負担に耐えられない
第2章 南海トラフ巨大地震とリニア中央新幹線 松島信幸
予想される南海トラフ巨大地震
南海トラフ地震をどうみるか
リニア新幹線と浜岡原発
地震による赤石山地の山体崩壊/南海トラフは駿河トラフから富士川へ
地質境界の糸―静線は大丈夫か
トンネルは遺れないか/トンネル屋の情熱/トンネルが抜ける
トンネルが潰れた
赤石山地の劇的な成立
塩見岳―悪沢岳の間に注視せよ/崩壊が最も激しい主稜線/蛇紋
岩帯に穴を開けてはいけない/大鹿村には石器・土器が見当たらない
中央構造線をどう見ているのか/大鹿村は変動地域だ
南アルプストンネルは泥質メランジュに翻弄される
第3章 リニア中央新幹線の電磁波問題 荻野晃也
1 電磁波とは
はじめに/電磁波の種類/地球環境問題としての電磁波
科学技術の進展と電磁波問題
2 電磁波に関する単位
3 自然界・電磁波の波形・周波数など
4 身の回りで使用する電磁波・発生源
5 リニアの電磁波
はじめに/リニアの構造/リニア電磁波の波形と周波数
6 リニアの電磁波強度
静磁界の場合/極低周波の場合/中間周波数の場合/高周波の場合
7 リニア電磁波の健康影響
リニア電磁波の特徴/JR東海などの影響研究結果
健康影響について
8 電磁波の脳への影響
9 極低周波・電磁波の危険性
10 中間周波数・電磁波の危険性
11 高周波・電磁波の危険性
12 電磁波問題の今後
13 地球環境問題としての電磁波と予防原則・思想
主な参考文献
第4章 リニア中央新幹線の採算性 橋山禮治郎
はじめに
計画目的は妥当か
計画目的と評価/なぜ採算性が重要か
リニア新幹線の採算性を考える
収入/建設コスト/維持運営費/プロジェクト収支試算
採算性から見たリニア計画の問題点/採算性から見た総合評価
第5章 スピードの原罪──文明論としてのリニア── 川村晃生
はじめに
夏目漱石の苦悩
人間と時間
幸福って何?
文明の落し穴(一)
文明の落し穴(二)
第6章 リニアのジレンマ 懸樋哲夫
事故のリスク
リニア宮崎実験線炎上/暴走の原因は/フェイルセイフ
ドイツトランスラピッド事故
原発とリニアの深い関係
高圧線が結ぶ原発とリニア/リニア用高圧線建設の問題
国交省がリニアの電力浪費を検証せず/「新幹線の三倍」はほんとうか?
新幹線の二八倍・乗客一人当たりの場合/超伝導と常伝導・その電力の違いは
シールドの重さと電力のジレンマ
シールドの磁場遮蔽の効果は/隠された測定値
第7章 計画沿線の市民の声
実験線現地の山梨 山梨県甲府市 川村晃生
リニア計画が進む山梨/リニア完成後の山梨/リニア計画を懸念する県民
大鹿村リニア騒動記 長野県大鹿村 河本明代
釜沢・水平ボーリング調査/中央新幹線小委員会/村の対応
南アルプスにトンネルは要らない・
浮上 飯田市 片桐晴夫
リニア計画が浮上/伊那谷の美し柔肌切り刻むリニア恐ろし文明の華
東京・神奈川の市民運動 東京・神奈川 天野捷一
都市圏間のアクセスの利便性を向上させれば、地域は過疎化し寂れて行く
環境アセスメントは「環境合わすメント」
風は変わり、あらたな市民運動の広がりを実感
相模原、橋本にリニアの駅が? 相模原 浅賀きみ江
リニア計画を問う/「リニア新幹線を考える相模原連絡会」の結成と今後の活動
リニア新幹線建設と相模原市/これからの取り組み
夢のリニアは本当か! 中津川市の現実 中津川 原重雄・266
リニア中央新幹線を考える学習会開催とJR東海の動向
地域独自の問題/ウラン残土について/シデコブシ、ハナノキを守れ
最近の動向と今後について

危ないリニア新幹線 [単行本]
そして、橋山禮治郎先生(本書にも執筆)が2011年に岩波書店から「必要か、リニア新幹線」を世に出し、リニア新幹線構想の不合理さを論理的に説明した。
また鉄道ジャーナリストの中にも整備新幹線やリニア新幹線が住民の必要性ではなく新幹線工事やリニア工事を欲しい一部の人達の願望であると指摘した。
現在JR東海はリニア新幹線工事が想定される地域での説明会等を実施しているが、住民等への情報開示は不十分であり、特に安全性、自然景観、自然環境、電磁波問題、また残土問題等に誠意ある回答を行っていない。
本書は多くの市民・住民が疑問あるいは不安に思う事に関して答えるだけでなく、速さを追求する技術や科学そのものへの疑問や人間の幸福感といった哲学にも触れている。
急激な人口減少が確実であり、右上がりの経済成長が望めない中で持続可能な社会を作らざるを得ない日本で果たして大型公共工事(防災・減災の名を借りた強靭化計画)やリニア新幹線構想が必要なのかを追求している。
ちなみに1980年代に書かれたリニア本でのリニアの経済効果や地域発展効果がいかにいい加減で全て予測が外れ(経済予測した銀行シンクタンクすら破綻)ているかを是非知っていただきたい。
格安航空会社(LCC)や高速バス網等は1980年代の本にはまったく触れられていないし、人口減少や経済状況予測もまったく的を得ていなかったのである。
1980年代からのリニア本はこちらに読んだものだけをリストしておりますのでご興味ある方はどうぞ。
目次
はじめに──知られざるリニアの実体── 川村晃生
リニアの経済性
リニアと環境破壊
電磁波、地震、事故
経済効果はあるのか
第1章 リニア新幹線に未来はあるか? 梅原淳
東海道新幹線のバイパスとしてのリニア中央新幹線
リニアモーターカーの仕組み
難航必至、未知の大深度トンネル工事
JR東海は重い財政負担に耐えられない
第2章 南海トラフ巨大地震とリニア中央新幹線 松島信幸
予想される南海トラフ巨大地震
南海トラフ地震をどうみるか
リニア新幹線と浜岡原発
地震による赤石山地の山体崩壊/南海トラフは駿河トラフから富士川へ
地質境界の糸―静線は大丈夫か
トンネルは遺れないか/トンネル屋の情熱/トンネルが抜ける
トンネルが潰れた
赤石山地の劇的な成立
塩見岳―悪沢岳の間に注視せよ/崩壊が最も激しい主稜線/蛇紋
岩帯に穴を開けてはいけない/大鹿村には石器・土器が見当たらない
中央構造線をどう見ているのか/大鹿村は変動地域だ
南アルプストンネルは泥質メランジュに翻弄される
第3章 リニア中央新幹線の電磁波問題 荻野晃也
1 電磁波とは
はじめに/電磁波の種類/地球環境問題としての電磁波
科学技術の進展と電磁波問題
2 電磁波に関する単位
3 自然界・電磁波の波形・周波数など
4 身の回りで使用する電磁波・発生源
5 リニアの電磁波
はじめに/リニアの構造/リニア電磁波の波形と周波数
6 リニアの電磁波強度
静磁界の場合/極低周波の場合/中間周波数の場合/高周波の場合
7 リニア電磁波の健康影響
リニア電磁波の特徴/JR東海などの影響研究結果
健康影響について
8 電磁波の脳への影響
9 極低周波・電磁波の危険性
10 中間周波数・電磁波の危険性
11 高周波・電磁波の危険性
12 電磁波問題の今後
13 地球環境問題としての電磁波と予防原則・思想
主な参考文献
第4章 リニア中央新幹線の採算性 橋山禮治郎
はじめに
計画目的は妥当か
計画目的と評価/なぜ採算性が重要か
リニア新幹線の採算性を考える
収入/建設コスト/維持運営費/プロジェクト収支試算
採算性から見たリニア計画の問題点/採算性から見た総合評価
第5章 スピードの原罪──文明論としてのリニア── 川村晃生
はじめに
夏目漱石の苦悩
人間と時間
幸福って何?
文明の落し穴(一)
文明の落し穴(二)
第6章 リニアのジレンマ 懸樋哲夫
事故のリスク
リニア宮崎実験線炎上/暴走の原因は/フェイルセイフ
ドイツトランスラピッド事故
原発とリニアの深い関係
高圧線が結ぶ原発とリニア/リニア用高圧線建設の問題
国交省がリニアの電力浪費を検証せず/「新幹線の三倍」はほんとうか?
新幹線の二八倍・乗客一人当たりの場合/超伝導と常伝導・その電力の違いは
シールドの重さと電力のジレンマ
シールドの磁場遮蔽の効果は/隠された測定値
第7章 計画沿線の市民の声
実験線現地の山梨 山梨県甲府市 川村晃生
リニア計画が進む山梨/リニア完成後の山梨/リニア計画を懸念する県民
大鹿村リニア騒動記 長野県大鹿村 河本明代
釜沢・水平ボーリング調査/中央新幹線小委員会/村の対応
南アルプスにトンネルは要らない・
浮上 飯田市 片桐晴夫
リニア計画が浮上/伊那谷の美し柔肌切り刻むリニア恐ろし文明の華
東京・神奈川の市民運動 東京・神奈川 天野捷一
都市圏間のアクセスの利便性を向上させれば、地域は過疎化し寂れて行く
環境アセスメントは「環境合わすメント」
風は変わり、あらたな市民運動の広がりを実感
相模原、橋本にリニアの駅が? 相模原 浅賀きみ江
リニア計画を問う/「リニア新幹線を考える相模原連絡会」の結成と今後の活動
リニア新幹線建設と相模原市/これからの取り組み
夢のリニアは本当か! 中津川市の現実 中津川 原重雄・266
リニア中央新幹線を考える学習会開催とJR東海の動向
地域独自の問題/ウラン残土について/シデコブシ、ハナノキを守れ
最近の動向と今後について

危ないリニア新幹線 [単行本]
山梨県立図書館の検索ツール
http://www.lib.pref.yamanashi.jp/
時間ができたら調べてみたいと思います。
この件は私のページからもリンクさせていただきます。